はやぶさ2、打ち上げ成功 生命の起源に迫る
産経 12月3日(水)15時20分配信
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小惑星探査機「はやぶさ2」を搭載したH2Aロケット26号機が3日午後1時22分4秒、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。
探査機は午後3時過ぎに予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。
小惑星の地下の物質を初めて採取し地球に持ち帰る計画で、生命の起源に迫る成果が期待される。平成32年末の帰還を目指す。
はやぶさ2は、小惑星の物質を初めて採取し4年前に帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「はやぶさ」の後継機。今回は有機物や水が存在するとみられる別の小惑星「1999JU3」に向かう。
小惑星は四十数億年前の太陽系初期の姿をとどめているが、地表の物質は宇宙線を浴びて変質している。このため、はやぶさ2は新開発の装置を使って人工的にクレーターを作り、変質していない地下の物質の採取・回収を目指す。
生命の材料となった有機物や地球の海水は、小惑星の衝突によって地球に運ばれたとされる。採取した物質を分析すれば、生命の起源や太陽系の歴史を解明する手掛かりが得られる。
探査機は来年末に地球の引力を利用して加速し、30年夏に小惑星に到着。
1年半にわたり探査し、採取した微小な物質を帰還カプセルに入れて持ち帰る。6年間の航行距離は約52億キロに及ぶ。
初代はやぶさはエンジンなどで故障が多発し帰還が危ぶまれた。このため性能向上や故障防止など多くの改良を行ったほか、日本とドイツの探査ロボット計4機も搭載し着陸を目指す。
H2Aは20回連続の成功となり、成功率は96・1%に向上し信頼性を高めた。