1次構造が蛋白質の3次、4次構造を決めるということは変わらないのですが、「プロペプチド」由来の場合は親和部位というか活性サイトが微妙にに変化するのでしょう。
ノーベル賞の通説覆すタンパク質、京大グループが作成成功
2015年05月24日 13時43分
米国のノーベル賞科学者アンフィンセンが提唱する
「タンパク質はアミノ酸の配列が同じならば、同じ立体構造になる」
という通説を覆すタンパク質を作ることに、京都大農学研究科の植田充美教授、黒田浩一准教授、大学院生の里村淳さんらのグループが成功した。
同じアミノ酸配列で、機能が異なるタンパク質を人工的に作る手法の開発につながる成果という。
タンパク質はアミノ酸がいくつも連なったひも状の物質。臓器や筋肉、消化酵素などの元で、生命の営みに欠かせない。
機能を発揮するためにはきちんと折り畳まれ、立体構造を取る必要があり、アンフィンセンの通説が広く支持されている。
グループは、消化酵素などの前段階の物質に付いていて、立体構造の形成に関わる特定のアミノ酸配列「プロペプチド」に注目した。プロペプチドは最終的に切り離される。
カビ由来の消化酵素リパーゼでプロペプチドの一部を人工的に変えると、リパーゼのアミノ酸配列は同じなのに、立体構造が変わることを確認した。
プロペプチドを変えることで、リパーゼが捕らえる脂質の種類が変わることも確認した。
アンフィンセンの説の否定例には、脳がスポンジ状に萎縮する難病のクロイツフェルト・ヤコブ病の原因となる異常なタンパク質・プリオンなどが該当することも分かっている。
植田教授は
「プロペプチドを作り替えることで、多様な働きをもったタンパク質を生み出すことができるかもしれない」
と話している。