全身麻酔を始めて経験した。静脈注射という(1mg/kg/hrを目安に持続静注を行う??)。
生体モニターであなたの命を管理しますから安全ですよと言われても不安が残る。薬のことは化学者ゆえ知っているのである。
手術前日、入院日に麻酔の説明を受けた。
いよいよ手術の連絡。手術室に入り、モニターを付け、酸素を吸い、点滴から導入薬が入ると、数える間もなく寝てしまいますよと言われる。手術が終わると、普通の全身麻酔は今時、10分程度で醒める。2時半に手術開始で6時に目が覚めた、長かった!
一体、どんな種類の麻酔薬を使用しているのか?まさかマイケル・ジャクソンを殺したプロポフォールではないでしょうね?
*静脈麻酔薬(プロポフォール,ペントバルビタール,ケタミン)
*全身麻酔
*全身麻酔
意識・記憶・痛覚を抑制するがその構造薬理作用ともに多種多様である。
麻酔薬の主な分子標的は細胞膜上に存在するγ-アミノ酪酸(γ-aminobutyric acid:GABA)A 受容体と N-メチル-D-アスパラギン酸(N-methyl-D-aspartic acid:NMDA)受容体であると言われている。
しかしながら,どのようなメカニズムで細胞応答をもたらすのかは明らかではないという。
1.意識消失 2.鎮痛 3.筋弛緩 4.反射抑制
呼吸が抑制されるので喉へパイプを入れると説明される。全身麻酔作用の標的は脳、脊髄だが呼吸循環系への副作用が発生の可能性ありということかな。
望ましい吸入麻酔薬
geocities.jp/dogcat1111122222/anesthesia
① 麻酔作用が可逆的で残存効果がない
② 安全域が広い
③室温で容易に気化する
④ 麻酔作用が強力で低濃度で使用できる
⑤ 血液溶解度が低く、導入・覚醒が速やかである
⑥ 科学的に安定で高橋賢一の物質?と反応して有害物質を生じない
⑦ 生体内代謝率が低い
⑧ 不燃性、非爆発性
⑨ 安価
② 安全域が広い
③室温で容易に気化する
④ 麻酔作用が強力で低濃度で使用できる
⑤ 血液溶解度が低く、導入・覚醒が速やかである
⑥ 科学的に安定で高橋賢一の物質?と反応して有害物質を生じない
⑦ 生体内代謝率が低い
⑧ 不燃性、非爆発性
⑨ 安価
*高橋賢一の物質とは何か
薬理学的に望ましい条件
① 適度な筋弛緩作用を有する
② 有害な自律神経反射を抑制する
③ 気管支刺激症状がない 気管支拡張作用を有する
④ 呼吸循環抑制作用が少ない
⑤ 不整脈誘発作用が少ない
⑥ 臓器毒性が少ない
② 有害な自律神経反射を抑制する
③ 気管支刺激症状がない 気管支拡張作用を有する
④ 呼吸循環抑制作用が少ない
⑤ 不整脈誘発作用が少ない
⑥ 臓器毒性が少ない
静脈麻酔薬
頻用されている静脈麻酔剤は、
プロポフォール、
ケタミン、
バルビツレイト(チオペンタール、チアミラールなど)
があります。
吸入麻酔薬と比較した場合の長所は以下です。
① 吸入酸素濃度を任意に決定できる(100%酸素吸入も可能)
② 環境汚染がない
③ 心筋のカテコラミン感受性を高めない
② 環境汚染がない
③ 心筋のカテコラミン感受性を高めない
現在全身麻酔の導入と維持の目的、または、人工呼吸中の鎮静の目的で広く使用されているのはプロポフォールです。
プロポフォールは水溶性が低いため、脂肪乳剤に懸濁させています。
長所は、麻酔の導入と覚醒が速やかであること、術後の悪心おう吐が少ないこと、肝臓腎臓への影響が少なく、肝硬変や腎不全でも使用できることです。
短所は、静脈投与時の血管痛、呼吸の抑制、心臓拍出量減少と末梢血管拡張による低血圧が起こることです。
プロポフォールには鎮痛作用がないため、麻酔時には亜酸化窒素、麻薬性鎮痛薬、または硬膜外麻酔などの区域麻酔法を併用する必要があります。
吸入麻酔薬だけで全身麻酔をかけることを全静脈麻酔といい、プロポフォールを中心にして実践されています。
下記のサイトの説明が優れている。
shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/analg-anes.html#propofol
術中覚醒 anesthesia awareness
術中覚醒とは選択する麻酔薬剤の種類や投与量によっては無意識が得られず、術中に意識が回復することがある。
術中覚醒・記憶とは、手術中に意識があり、その間に覚えていることであり、PTSDの発症が懸念される深刻な問題である。
術中作成により、覚醒体験がエピソード記憶として術後長期間残ることが精神的後遺症としてPTSDに繋がる。
セボフルランでの術中覚醒は非常に少ない。
プロポフォール、TIVAで術中覚醒が起こりやすい。プロポフォールのドーズを下げると術中覚醒を起こす可能性がある。
プロポフォール、TIVAで術中覚醒が起こりやすい。プロポフォールのドーズを下げると術中覚醒を起こす可能性がある。
TIVAでは
1. 個体の大きさ(薬物動態・感受性の差など)
2. 投与システム(ルートトラブルなどのヒューマンエラー)
2. 投与システム(ルートトラブルなどのヒューマンエラー)
が問題となる。
BIS値が60以下に維持されている場合に術中覚醒の発生率が低下することが報告されている。
BISは前頭葉の脳は解析に基づいているため、視床から大脳皮質領域への鎮静作用の指標になり得ても、辺縁系、海馬、扁桃体などが関与している術中記憶や健忘の指標としては不適切である。
術中覚醒の原因の一つに、麻酔薬の作用における個人差に伴う相対的浅麻酔がある。
術中覚醒の原因の一つに、麻酔薬の作用における個人差に伴う相対的浅麻酔がある。
個人差が生じる理由として、アルコール、不安、うつなどが麻酔薬抵抗性に関与している。
このような状態では脳内のGABA濃度が25~50%減少していると考えられている。
脳内の興奮と抑制のバランスが崩れると、麻酔薬の感受性が変化すると推測される。
手術患者は、不安、ストレス、痛みなどによって脳の興奮と抑制のバランスが崩れている可能差異があるため、鎮静作用が脳内GABA濃度に影響されやすい麻酔薬では個人差が生じやすいと考えられる。
脳内のGABA濃度に鎮静作用が影響されない麻酔薬:セボフルラン
脳内のGABA濃度に鎮静作用が影響される麻酔薬:プロポフォール
脳内のGABA濃度に鎮静作用が影響される麻酔薬:プロポフォール
術中覚醒・記憶の予防のためには、鎮静と鎮痛だけではなく、健忘も考慮することが重要である。
(健忘作用の強い薬:ジアゼパム(セルシン®、ホリゾン®)ミダゾラム(ドルミカム®)、セボフルランなど
術中覚醒が発生した場合には、術後インタビューで客観的な説明や同情の気持ちを示すことが重要で、不安が強い場合には精神科へのコンサルタントを行う。
全身麻酔の前に以下のような説明を簡単に受けた。気管挿管はすると聞いたが、一旦、呼吸が止まるとは説明を受けなかった!!
手術中は患者自らの生命行為をすべて麻酔科の先生方に任せるということにかなり抵抗感を抱いた。
しかしながら麻酔なしで2時間半の激烈な痛みと大量出血を伴う副鼻腔前頭洞閉塞緩和手術を我慢することはできないであろう!
痛いといって少しでも動けば、脳や眼球損傷まで起こす危険性が大きくなる。
私は化学者なので次のような詳しい説明を麻酔医にしてもらいたかった。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1337804158
全身麻酔をしっかりとかけていくと必ず呼吸が止まりますので、まずしっかりと濃い酸素を数分すってもらいます。
次に点滴から少量の麻薬を投与します。
麻薬は全身麻酔の際、一般的に使用されます、強い痛み止めです。
呼吸が止まった後、気管挿管といい口から気管の中に管を入れますがとても刺激のある行為なので、強い痛み止めが必要です。
(このときは既に患者さんは眠っていて痛みはわかりません。ただ、体は刺激を感じて血圧が上がったりするので、痛み止めが必要なのです)
この少量の麻薬が少しぼっとします。
その後、静脈麻酔薬を点滴から投与します。
日本で多く使用される静脈麻酔薬にはラボナール、イソゾールといったアルカリ性の薬剤、およびプロポフォールという薬剤があります。
前2つのものはアルカリ性の物質なので、これにより疼痛を感じることがありますし、後者のプロポフォールは血管痛を非常に良くきたします。
で、眠ったあとに吸入麻酔薬をかがせたのではないかと思いますが。
(最近は静脈麻酔薬も流行っていまして、静脈麻酔薬のみで麻酔することも可能です)
昔をいつと比較するかにも寄りますが、私が医師になった10年前と比較すると、いろんな新しい安全なお薬が出てきました。
筋弛緩薬であるエスラックス(切れが早い)、麻薬であるアルチバ(これも切れが早い)、局所麻酔薬のマーカインやアナペインなど。
麻酔というのは簡単にいうと、患者を死んだような状態
(息も自分で出来ず、動かないし痛みも感じない)!!
に持っていき、手術が終わるとまたつれて返ってくる、という非常に危険な行為です。
また、全身麻酔薬自身がどのように人間の頭に作用しているのか、はっきりと分かっていない部分もあります。
麻酔の進化というより、麻酔で使うお薬、人間の体を見張る器械の進化によって、昔に比べると安全性が増してきた、といってよいと思います。