昔、酪酸のPtの熱分解研究で臭いのでなんとかならぬかという相談が某企業研究所からあった。臭くない有機酸にしたらとアドバイス。
pH2(シュウ酸塩)標準液。シュウ酸(H2C2O4) 水溶液(K1=9.12£10¡2mol/l、K2=1.51£10¡4mol/l)。
シュウ酸塩熱分解プロセスによる針状ニッケル粉の合成
資源と素材 Vol. 121 (2005) No. 6 P 255-259
Needle-like nickel powder with high aspect ratio was synthesized by the thermal decomposition of the precursors consisting of nickel ammine oxalate precipitated from aqueous solution. Nickel precursors of c.a. 1 μm in length and 50 nm in width were obtained by falling two solutions in drops simultaneously into distilled water at pH 9.5.
One is a solution containing nickel chloride hexahydrate and ammonia, and the other is a sodium oxalate solution.
The morphology of particles changed from granular to needle-like with the increase in pH. Large and size-dispersed needle-like particles were obtained at 363 K. The shape of metallic nickel particles changed from needle-like at 613 K to chain-like at 673 K depending on the heating treatment temperature of nickel precursors.
化合物前駆体を利用したナノ微粒子の合成と形態制御
f2.numse.nagoya-u.ac.jp/theme02
Ni,Cu,Coのシュウ酸化合物前駆体を水溶液中で合成し,それを熱分解することで図に示すような金属微粒子が作製できました.
アンモニアを配位した前駆体は,高いアスペクト比形状を有し,化学構造は,例えばNiでは,Ni(NH3)C2O43H2Oでした.
アンモニアを用いることなく,単純なシュウ酸塩前駆体(NiC2O4)を利用した場合には,形状は直方体状に変化しました.このように,針状Ni,鎖状Ni, 紐状Co, 単分散の直方体状Ni等の作製を,イオンの過飽和度を制御することで精度良く合成することに成功しています.
【0009】 xtekunoroji.com/4K/200499979
出発物質である金属カルボン酸塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩などを使用することができるが、特にギ酸塩、シュウ酸塩を用いるとより好ましい結果が得られる。
但し、シュウ酸銀は爆発性があるので使用に当たっては十分な注意を要する。
これらは、単独で焙焼しても良いし、所望の2種以上をあらかじめ混合してから焙焼しても良いし、焙焼後混合して使用しても良い。また、混合はボールミル、チューブミル、V型混合機等通常使用するもので良い。
【0010】
本発明の製造方法は、まずこれら金属カルボン酸塩を100℃-500℃で焙焼し原料粉末を得る。この焙焼は、金属カルボン酸塩を分解させガスを発生させるが、同時にカルボン酸に由来したカーボンも生成させる働きをするものであり、このカルボン酸に由来するカーボンが原料粉末中に適度に残留するように調整されることが必要である。
焙焼温度が100℃以下であると金属カルボン酸塩の分解が不十分となり、生成した粒子が十分小さくならず、その後の加熱処理で粒径の小さな金属粉末を得ることができない。
また、焙焼温度が500℃より高いとカルボン酸に由来したカーボンの残留がないため、金属カルボン酸塩の分解により生成した粒子の凝集が強くなり、その後の加熱処理で得られる金属粉末は分散性の悪いものとなる。
焙焼時の雰囲気は、特に限定されるものではないが、通常は空気中で行うのが好ましい。焙焼が前述した通りの作用を施すものであることから、金属カルボン酸塩の種類に応じて温度、時間は任意に選択されるものである。