民間人が横から入ってきてトンビに油揚げをとられる訳ですから、だれもやりたくないですよね。
多忙過ぎる教頭「一教諭の方がマシ」
受験者低迷
2013年11月27日17時46分 読売
大阪市で市立小中学校の教頭試験の受験者不足が深刻になっている。
小中ともに倍率は減少傾向で、計40人程度の採用枠で選考中の今年度も、受験者が49人しか集まらず、最低倍率を更新しそうな勢い。
教頭の給与カットや、民間人校長の登場により「校長への門」が狭くなったことなどで教頭職の魅力が薄れていることが原因のようだ。
質の低下を懸念する市教委は、受験資格を見直したり、有望な教諭に受験を勧めたりと、対策に追われている。
市教委によると、教頭試験は例年、6月頃に募集し、夏場にかけて面接などの試験を実施。11月下旬頃、教頭の退職者と校長への昇任者の人数を目安に、合格者を決める。
小中合わせて574人が挑んだ2001年度の倍率は、小学校で13・2倍、中学校で33倍に達したが、12年度は採用枠が増える一方で計95人しか受験せず、倍率は小学校で1・3倍、中学校は1・5倍と、01年度以降でいずれも最低だった。
背景には、教頭試験の「適齢期」とされる40歳代の教諭が、少子化による児童・生徒の減少などで採用数を絞られたため、他の年齢層に比べて少ないうえ、
「事務仕事が多すぎる」
と教頭職が敬遠されている実態がある。
大阪市では、来年度から通学区域を越えて就学を可能にする学校選択制が導入されるため、対外交渉を担当する教頭の事務負担が増加。
一方、給与面では08年8月から管理職の基本給が11・5%カットされており昇任しても教諭時代とそれほど変わらない。
加えて、今春から校長公募制度が本格導入され、市立小中学校に民間出身の校長が誕生した。来春は民間人の採用枠が拡大されるため、
「校長になれないなら、一教諭の方がマシ」
との声も上がる。
ある小学校の40歳代の男性教諭は
「教頭になっても、給料が上がらない上、多忙過ぎて児童に関わる時間もない。これでは魅力を感じない」
と打ち明ける。