毎年、畑に大量に生育するオレガノをなんとか製品化できぬものかと考える。オレガノの葉は様々な生体機能を有するポリフェノールの宝庫なのである。
(1) オレガノ葉のDPPHラジカル捕捉活性および亜硝酸法で測定したO2-捕捉活性は,生葉100g当たり13400μmol AsA当量および7380μmol AsA当量であり,両者とも加熱調理後に活性が1.3倍に増加した
(2) オレガノ葉の主なポリフェノール化合物はロズマリン酸であった.加熱調理後にロズマリン酸を始め,プロトカテキュ酸,コーヒー酸が増大したが,中でも顕著に増大したポリフェノール化合物を分取し,機器分析により3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸と同定した.
これは,加熱調理操作中にロズマリン酸が加水分解して生成されたものではなかった.
(3) オレガノ葉のDPPHラジカル捕捉活性の約55%が,O2-捕捉活性の約30∼40%が,本研究で同定した4種のポリフェノール化合物,3-(3,4-ジヒドロキシフェニル)乳酸,プロトカテキュ酸,コーヒー酸およびロズマリン酸によって説明できた.