若い頃、京都入りは舞鶴から山間の綾部などを通過して京都入りしたものである。山間は静かで雰囲気は良かったが、京都市街の明かりを見てホッとしたものだ。
町唯一の高校で人材育成を 京都・京丹波、定員割れ解消目指す
2016年08月18日 17時00分 京都新聞
定員割れが続く京都府京丹波町唯一の高校、須知高(豊田)の振興策を町と同高が探る「須知高教育活性化推進協議会」がこのほど、設立された。
町が協議会を通じ、同高に交付する振興支援金を英検受験の補助に充てるなど、官学一体で生徒の進路実現やまちづくりを担う人材の育成に取り組む。
町が設置した「須知高のあり方懇話会」が3月にまとめた意見提言書を踏まえた取り組み。寺
尾豊爾町長、松本和久教育長、長谷川清隆校長ら11人で構成し、
▽ 校外学習や資格取得支援
▽ 町内の企業と連携したインターンシップ
▽ 学習や部活動での中高連携の推進▽調理師免許取得など特色ある学科の新設
-など提言書の具体化を図る。
同高でこのほど行われた初会合で、会長に中西和之同窓会長、副会長に樹山静雄町参与を選んだ。
町が交付する振興支援金20万円を、大学進学の際に有利とされる英検準2級以上の受験料として補助するなど事業計画を決めた。長谷川校長は
「府立高に地元行政の交付金があるのは府内で本校だけでは。地域とともに歩む、須知高の魅力の一つとして活用したい」
と感謝した。
情報交換では、少子化などで生徒の定員割れが続く一方、少人数指導で進学実績が向上している現状を同高が報告した。委員からは
「指導の成果や魅力を、中学生にどう伝えるかが課題」
などと意見が上がった。
town.kyotamba.kyoto.jp/cmsfiles/.../shiryo1.pdf
京都・須知高、地域ぐるみで支援 5年連続入学者定員割れ
2016年02月14日 21時34分 京都新聞
入学者の定員割れが続く京都府京丹波町唯一の高校、須知高(同町豊田)の活性化策を探る動きが本格化している。
町は昨年秋から「須知高校のあり方懇話会」を設置し、議論を深めてきた。地域を支える人材育成の場や、少子化の加速を見据えた通学範囲拡大に期待する意見もある。
「地域ぐるみで高校支援に動くのは府内初」
(府教委)といい、将来への明るい展望を模索している。
須知高は1876年開校の府農牧学校がルーツの伝統校だが、2011年度から入学者が定員割れとなった。
定員を120人から100人とした15年度も74人にとどまった。
教育関係者は
「1996年に嵯峨野高の京都こすもす科が府内全域から入学可能になった。園部高も2006年に付属中を開設し、生徒が町外に流れる傾向が強まった」
とみる。
京丹波町の基幹産業である農業・畜産関係の学科があり、住民の愛着は強い。
町は「独特の歴史を持ち、存続してほしい高等教育機関」と位置づけ、卒業生やPTA、町内の中学校長らで構成する懇話会を設置。地方創生の観点も踏まえて将来像を議論してきた。
同高と地元との関係は密接だ。食品科学科の生徒が加工したクッキーなどは道の駅「味夢の里」で人気商品として定着。
生徒は小学校で菓子づくりの指導やスポーツ活動をサポートする。
進学面では、13年度から普通科に設けた特進コースの生徒は神戸大など難関大に合格している。
だが、将来の見通しは厳しい。府教委の推計では、町内の中学3年生は21年に94人となり、その後も減少する見込みだ。
懇話会はこれまで3回開かれ、町内の中学生に進路として選んでもらうための支援策を話し合い、企業との連携による就職先の開拓や、中学との連携充実による学力向上策などが指摘された。上田秀男座長(78)は
「地域の中核となる人材を育てたい。行政、企業、団体、同窓会も含め『オール京丹波』で取り組みたい」
と願う。
須知高も今年初めて町内3中学の2年生を対象に、高校の学習や生活について理解を深めてもらう「須高セミナー」を開き、進学希望者確保に躍起だ。
入学対象区域の拡大も議論に上がる。食品科学科は府内全域だが、普通科の大半は口丹地域に限られる。長谷川清隆校長は
「他地域からの志願者確保も考えなくては」
と話す。
長谷川校長らは昨年、定員の30%を県外から募集し、学校再生に成功した島根県の隠岐島前高を視察した。離島にある同高では、地元自治体が生徒対象の「公立塾」をつくり、落ち着いた環境で学力に応じた指導を行う体制をアピールした結果、県外からの志望者を増やし、若者流出も阻止できたという。
豊かな自然に抱かれた須知高にとっても大きなヒントになる。
懇話会は本年度中に提言をまとめ、寺尾豊爾町長に答申する。府教委は
「町の須知高への支援策に注目している」
(高校教育課)とする。
町単独では難しい支援もあるが、京丹波と同様の悩みを抱える地域の先例となるのか、期待される。