Quantcast
Channel: blog化学
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2255

看過できない?東大医学系の不正22論文

$
0
0
Sankei報道:6人には前東大病院長の門脇孝教授も含まれる。門脇氏の研究室は取材に「広報を通してほしい」と回答。東大広報は「(調査対象者の)名前は発表できない」と話している。
 
国民医療費30兆円の一部が厚労省から大量に流れ込む医学研究、なんでもありでデーターの真偽は問わないようである。
 
私も2度ミスをしたことがある。自分の理論では直線が妥当だが、高濃度領域で飽和の傾向があった。しかし、無視して学会報告をしたら東北大の大物Profが手を上げて質問された。
 
「虚心坦懐に見れば君のプロットは直線ではなくて飽和曲線ではないのか」
 
ギョッとした瞬間であった。
 
もう一件は論文に関するもので、速度定数の濃度依存性が1次というのが我が1:1錯体生成理論であった。修士の1年生が飽和型の結果を出したので何度も実験をやり直しさせた。それでも直線ではないのである。
 
私は事もあろうにそのMC1の院生を激しく叱責し、高濃度領域をカットして速報にしたのである。
 
ところが、しばらくしてイギリスの有能な化学者が1段階ではなくて2段階ではないかという論文を出したのである。
 
院生を叱責した恥辱感にさいなまされながら速報の間違いを述べて、新しく海外学術誌に投稿したのである。この仕事のお陰で海外で有名になったのである。その院生は生涯、先生を恨みますといっていた!!
 
実に難しい問題が潜んでいるのである。
 
 
 
東大、22論文で不正調査へ…匿名告発文書届く
 
2016年09月20日 21時35分    読売
 
 東京大は20日、医学・生命科学系の六つの研究グループが発表した22の研究論文について、不正の疑いがあるとして、本格的な調査を始めると発表した。
 
 学外の有識者を交えた調査委員会を今後30日以内に設置し、150日以内に不正の有無を判断する。
 
 東大によると、8月17日と9月1日の2回に分けて、不正を告発する匿名の文書が郵送されてきた。同様の告発文は関連学会や文部科学省のほか、読売新聞などにも届いている。
 
 東大や告発文などによると、調査対象となるのは、英科学誌ネイチャーなどに掲載された2003~16年の論文。医学部や分子細胞生物学研究所などに所属する6人の教授が関わっている。
 
論文のグラフに、不自然に加工されたとみられる箇所があることや、データの存在が疑われる部分があることなどが指摘されている。
 
  scienceandtechnology.jp/archives/10581
 
告発対象となっている11論文は、以下の通り。
 
イメージ 1門脇 孝 教授の研究室から発表された論文 (東京大学医学部付属病院 糖尿病・代謝内科 門脇研究室ウェブサイト)
 
Yamauchi T, Kamon J, Ito Y, Tsuchida A, Yokomizo T, Kita S, Sugiyama T, Miyagishi M, Hara K, Tsunoda M, Murakami K, Ohteki T, Uchida S, Takekawa S, Waki H, Tsuno NH, Shibata Y, Terauchi Y, Froguel P, Tobe K, Koyasu S, Taira K, Kitamura T, Shimizu T, Nagai R, Kadowaki T. Cloning of adiponectin receptors that mediate antidiabetic metabolic effects. Nature 2003 Jun 12;423(6941):762-9.
 
Yamauchi T, Nio Y, Maki T, Kobayashi M, Takazawa T, Iwabu M, Okada-Iwabu M, Kawamoto S, Kubota N, Kubota T, Ito Y, Kamon J, Tsuchida A, Kumagai K, Kozono H, Hada Y, Ogata H, Tokuyama K, Tsunoda M, Ide T, Murakami K, Awazawa M, Takamoto I, Froguel P, Hara K, Tobe K, Nagai R, Ueki K, Kadowaki T. Targeted disruption of AdipoR1 and AdipoR2 causes abrogation of adiponectin binding and metabolic actions. Nat Med. 2007 Mar;13(3):332-9. Epub 2007 Feb 1.
 
Okamoto M, Ohara-Imaizumi M, Kubota N, Hashimoto S, Eto K, Kanno T, Kubota T, Wakui M, Nagai R, Noda M, Nagamatsu S, Kadowaki T. Adiponectin induces insulin secretion in vitro and in vivo at a low glucose concentration. Diabetologia 2008 May;51(5):827-35. doi: 10.1007/s00125-008-0944-9. Epub 2008 Mar 28.
Iwabu M, Yamauchi T, Okada-Iwabu M, Sato K, Nakagawa T, Funata M, Yamaguchi M, Namiki S, Nakayama R, Tabata M, Ogata H, Kubota N, Takamoto I, Hayashi YK, Yamauchi N, Waki H, Fukayama M, Nishino I, Tokuyama K, Ueki K, Oike Y, Ishii S, Hirose K, Shimizu T, Touhara K, Kadowaki T. Adiponectin and AdipoR1 regulate PGC-1alpha and mitochondria by Ca(2+) and AMPK/SIRT1. Nature 2010 Apr 29;464(7293):1313-9. doi: 10.1038/nature08991. Epub 2010 Mar 31.
 
Awazawa M, Ueki K, Inabe K, Yamauchi T, Kubota N, Kaneko K, Kobayashi M, Iwane A, Sasako T, Okazaki Y, Ohsugi M, Takamoto I, Yamashita S, Asahara H, Akira S, Kasuga M, Kadowaki T. Adiponectin enhances insulin sensitivity by increasing hepatic IRS-2 expression via a macrophage-derived IL-6-dependent pathway. Cell Metab. 2011 Apr 6;13(4):401-12. doi: 10.1016/j.cmet.2011.02.010.
Shojima N, Hara K, Fujita H, Horikoshi M, Takahashi N, Takamoto I, Ohsugi M, Aburatani H, Noda M, Kubota N, Yamauchi T, Ueki K, Kadowaki T. Depletion of homeodomain-interacting protein kinase 3 impairs insulin secretion and glucose tolerance in mice. Diabetologia 2012 Dec;55(12):3318-30. doi: 10.1007/s00125-012-2711-1. Epub 2012 Sep 16.
 
Okada-Iwabu M, Yamauchi T, Iwabu M, Honma T, Hamagami K, Matsuda K, Yamaguchi M, Tanabe H, Kimura-Someya T, Shirouzu M, Ogata H, Tokuyama K, Ueki K, Nagano T, Tanaka A, Yokoyama S, Kadowaki T. A small-molecule AdipoR agonist for type 2 diabetes and short life in obesity. Nature 2013 Nov 28;503(7477):493-9. doi: 10.1038/nature12656. Epub 2013 Oct 30. (著者らによる日本語での解説 ライフサイエンス 新着論文レビュー)
 
イメージ 2藤田 敏郎 教授の研究室から発表された論文 (東京大学・先端科学技術研究センター 臨床エピジェネティクス講座 藤田研究室ウェブサイト)
ShengYu Mu,    Tatsuo Shimosawa,    Sayoko Ogura,    Hong Wang,    Yuzaburo Uetake,    Fumiko Kawakami-Mori,    Takeshi Marumo,    Yutaka Yatomi,    David S Geller,    Hirotoshi Tanaka    & Toshiro Fujita. Epigenetic modulation of the renal β-adrenergic–WNK4 pathway in salt-sensitive hypertension. Nature Medicine 17, 573–580 (2011) doi:10.1038/nm.2337
 
イメージ 3辻 省次 教授の研究室から発表された論文 (東京大学医学部附属病院 神経内科 辻研究室ウェブサイト)
Mitsui J, Matsukawa T, Ishiura H, Fukuda Y, Ichikawa Y, Date H, Ahsan B, Nakahara Y, Momose Y, Takahashi Y, Iwata A, Goto J, Yamamoto Y, Komata M, Shirahige K, Hara K, Kakita A, Yamada M, Takahashi H, Onodera O, Nishizawa M, Takashima H, Kuwano R, Watanabe H, Ito M, Sobue G, Soma H, Yabe I, Sasaki H, Aoki M, Ishikawa K, Mizusawa H, Kanai K, Hattori T, Kuwabara S, Arai K, Koyano S, Kuroiwa Y, Hasegawa K, Yuasa T, Yasui K, Nakashima K, Ito H, Izumi Y, Kaji R, Kato T, Kusunoki S, Osaki Y, Horiuchi M, Kondo T, Murayama S, Hattori N, Yamamoto M, Murata M, Satake W, Toda T, Dürr A, Brice A, Filla A, Klockgether T, Wüllner U, Nicholson G, Gilman S, Shults CW, Tanner CM, Kukull WA, Lee VM, Masliah E, Low PA, Sandroni P, Trojanowski JQ, Ozelius L, Foroud T, Tsuji S. Mutations in COQ2 in familial and sporadic multiple-system atrophy. N Engl J Med. 2013 Jul 18;369(3):233-44. doi: 10.1056/NEJMoa1212115. Epub 2013 Jun 12.
 
イメージ 4高柳 広 教授の研究室から発表された論文 (東京大学大学院医学系研究科 免疫学 高柳研究室ウェブサイト)
Komatsu N, Okamoto K, Sawa S, Nakashima T, Oh-hora M, Kodama T, Tanaka S, Bluestone JA, Takayanagi H. Pathogenic conversion of Foxp3+ T cells into TH17 cells in autoimmune arthritis. Nat Med. 2014 Jan;20(1):62-8. doi: 10.1038/nm.3432. Epub 2013 Dec 22.
(著者らによる日本語での解説 ライフサイエンス 新着論文レビュー) Takaba H, Morishita Y, Tomofuji Y, Danks L, Nitta T, Komatsu N, Kodama T, Takayanagi H. Fezf2 Orchestrates a Thymic Program of Self-Antigen Expression for Immune Tolerance. Cell 2015 Nov 5;163(4):975-87. doi: 10.1016/j.cell.2015.10.013. 
 
”我々自身も研究者であり,他者の論文の不正を検証するような行為は不毛であると当初は考えていた.
 
しかし,常習性,頻度,公正性,論文の与える影響の深刻さ等を鑑みれば,もはや看過すべきではないという結論に至った.
 
ここで告発するのは,発見したもののごく一部に過ぎないことも申し添えておく.”(はじめに  Ordinary_researchersの告発文書ow.ly/d/5cvq より)
 
”もちろん、我々が行ったこれらの確認作業は,論文著者の関知できないところで図形の変形が起きる可能性を完全に否定するものではない.いずれにせよ,生データと照らし合わせれば,すべての疑問は氷解するはずである.
 
 東京大学には直ちに正式な調査をお願いしたい.あらぬ疑いをかけられている研究室の潔白を証明する良い機会になるか,それとも膿を出すことになるか,どちらにしても東京大学にとってのみならず,日本の生命科学研究にとって良い方向へと進むきっかけになるはずである.
 
 きわめて遺憾なことに,東京大学がかかる告発を有耶無耶にするよう扱ったり,隠蔽しようとしたりする,あるいは告発者に何らかの圧力をかけようとするなどといった話も耳にする.我々が匿名にしたのも,最後の話があるためである.この告発をもとにした調査を粛々と実施するという行動を以って,こうした風聞がただの下らない噂であることを示してもらいたい.
 
”(さいごに Ordinary_researchersの告発文書 http://ow.ly/d/5cvq より)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2255

Trending Articles