害虫捕獲、ナラ枯れ減少 京都・石清水八幡宮や森
2016年09月23日 10時24分 京都新聞
石清水八幡宮(京都府八幡市八幡)境内や周辺の森林を「ナラ枯れ」の被害から防ぐため、府が原因害虫を捕獲するわなを樹木に取り付け、樹木の枯死を減らす効果を上げている。
■京都府が「わな」60基
府によると、一昨年9月に府の歴史的自然環境保全地域内の樹木でナラ枯れが確認され、昨年2月に枯死した6本を伐採した。
害虫「カシノナガキクイムシ」の活動期にあたる5月中旬から10月中旬にかけて捕獲するわなを20本の樹木に計60基取り付けた。
わなは、じょうご形の容器を連ねて2~2・5メートルの高さから幹につるし、エタノールが入った瓶につなぐ仕掛け。カシノナガキクイムシがエタノールのにおいに誘われ、容器を伝って瓶に落ちる。
わなにかかったカシノナガキクイムシは、1週間で最大12万匹捕獲できた。今年も5月中旬に設置して捕獲し、樹木の枯死を1本にまで減らした。
八幡宮境内や周辺の森林は、府が1983年から歴史的自然環境保全地域に指定し、保全管理をしている。
同八幡宮の権禰宜(ごんねぎ)神道尚基さん(44)は
「歴史のある景観を守り続けるため、府職員の方々とともに、樹木の状態に目を光らせていきたい」
と話している。