狩野派屏風絵など精細複製 キヤノン、京博に寄贈
2017年06月30日 12時50分 京都新聞
寄贈された「韃靼人狩猟・打毬図屏風」のデジタル複製画に見入る関係者ら=30日午前10時40分、京都市東山区・京都国立博物館
米サンフランシスコ・アジア美術館が所蔵する狩野派などの屏風絵2点のデジタル複製画が30日、京都市東山区の京都国立博物館に寄贈された。
高精細な複製画がこの日から公開された。
キヤノン(東京都)と京都文化協会(下京区)が2007年から取り組む国内外の文化財複製プロジェクト。
今回は海外に流出し、一般的に知られていない重要文化財級の作品を選んだ。
室町時代後期に関東で活躍した
絵師式部輝忠の「四季山水図屏風」(六曲一双)
と、
安土桃山時代に狩野永徳の弟宗秀が描いたと伝わる「韃靼人(だったんじん)狩猟・打毬図屏風」(同)。
山水図は個人所蔵を経て1960年代に流出、打毬(だきゅう)図は不明という。
山水図の細やかに描き込まれた風景や、異国の遊牧民が馬で駆ける躍動感を緻密に再現した。佐々木丞平館長は
「金箔の表現など実物そっくり。教育活動などでレプリカならではの活用法を探りたい」
と話した。
複製画の公開は9月3日まで(7月28日~8月2日除く)。月曜休館(祝日は火曜)。有料。