こんなものを点滴や飼料に入れて使うのか。胎児への影響は甚大であろう。
作用機序
膜安定化におけるMg2+、Ca2+イオン
act by competitively replacing Mg2+ and Ca2+ from negatively charged phosphate groups on membrane lipids. The result is disruption of the membrane.
Mode of Action of Colistin
The bacterial cell membrane is the initial site of action for colistin.
Colistin binds to LPSs and phospholipids in the outer cell membrane of Gram-negative bacteria.
It competitively displaces divalent cations (Ca2+and Mg2+) from the phosphate groups of membrane lipids, which leads to disruption of the outer cell membrane, leakage of intracellular contents and bacterial death.
aac.asm.org
コリスチン Wiki情報
7つのアミノ酸からなる環状ペプチド系抗生物質。
pubchem.ncbi.nlm.nih.gov
1950年にライオン製薬の小林細菌研究所の小山康夫、黒沢秋雄らによって、福島県掛田町の土壌中の芽胞桿菌Bacillus polymyxa var. colistinus が産生する物質から発見。
日本では1951年に硫酸塩(硫酸コリスチン)が医薬品として発売され、1960年にはコリスチン誘導体ナトリウム塩のコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムが発売。
作用機構
塩基性の陽イオン性界面活性剤で、細胞質膜を傷害することにより殺菌的に作用。
グラム陰性菌に対して優れた抗菌作用を示し、緑膿菌感染症や細菌性赤痢に対して有効。
Colistimethate
sodium
腎毒性、神経毒性が強いが、多剤耐性グラム陰性桿菌に対する最終手段として用いられる。
点滴静注用製剤が2015年3月に日本で承認された。2015年、コリスチン耐性を持つ細菌が発見された。
重大な副作用
腎不全、腎機能障害、呼吸窮迫、無呼吸、偽膜性大腸炎
飼料に混ぜる抗菌薬、2種禁止に
耐性懸念で農水省
2017年07月14日 02時05分 京都新聞
家畜の成長を促進させるため、飼料に混ぜて使うことが認められているコリスチンなど2種類の抗菌薬について、農林水産省が飼料添加物としての指定を取り消し、使用を禁止する方針を固めたことが13日、分かった。
薬の効かない薬剤耐性菌が家畜の体内で発生し、食品や環境を介して人に感染し健康に悪影響が出るリスクが無視できないと判断した。
耐性菌による死者は、世界で年間70万人に上るとの試算もあり、2016年の伊勢志摩サミットで各国は原因となる抗菌薬の適切な使用を進めることに合意した。
日本での禁止は合意後初めて。
審議会での検討を経て、本年度中にも正式に決める。