冬に咲く幻の「氷花」撮影 様似ピンネシリで田中さん
11/24 05:00 hokkaido-np.co.jp/
【様似】
日高管内様似町のアポイ岳ジオパークビジターセンターの田中正人学芸員が、アポイ岳の北にあるピンネシリ(958メートル)で、「幻の花」と呼ばれる珍しい現象「氷花」を撮影した。
氷花は、枯れ草の茎にあるストロー状の導管(水の通り道)を通じて、土壌の水分が毛細管現象で吸い上げられ、その水分が茎の外側ににじみ出て花びらのように凍り付く現象。
アポイ環境科学委員会のメンバーで、さっぽろ自然調査館の丹羽真一さん(植物生態学)=札幌=によると、氷点下2~3度の状態が数日間続くなど、限られた条件下でしか見られないという。
田中さんは今月10日、仲間とピンネシリからアポイ岳へ縦走。
気温が下がり、樹氷がキラキラと光を放つ中、稜線近くで足元に真っ白のブーケのような氷の塊があるのに気付いた。
氷花の大きさは10センチほどで、30個ほど確認できたといい、田中さんは
「見たくても見られない幻の花。約30年ぶりの巡り合いだった」
と振り返った。
(細川智子)