クマ目撃、京都市内で相次ぐ 大学や住宅街近く
2018年07月19日 17時00分 京都新聞
京都市北区の住宅街近くの山林で、クマの目撃情報が相次いでいる。
京都府警には先月、「体長約2メートルのクマを見た」など5件の通報が寄せられた。
住民が襲われたり、農作物を荒らされたりする被害は出ていないが、北署などが注意を呼び掛けている。
京都産業大総合グラウンド近くに住む主婦(43)=同区上賀茂神山=は先月20日午後7時ごろ、自宅に隣接する空き地から裏山に向かう黒いクマを見つけた。
「大人の男性くらいの大きさ。目が合い、怖くなって家に逃げた」
と驚く。
北署や府林務事務所によると、クマの目撃は13~25日で、場所は北区西賀茂や上賀茂の半径約2キロの範囲。
住宅街近くの山林のほか、五山送り火の「船形」で知られる船山のゴルフ場コースでも目撃された。
クマの目撃情報は例年、夏前に増える傾向にあるが、同事務所は
「通常は山深い場所が中心で、住宅街付近で相次ぐのは珍しい」
と説明する。
原因は不明だが、由良川以東の山間部で頭数が増え、縄張り争いに負けたクマが人里周辺に追いやられている可能性があるという。
北署や市は、住宅街周辺のパトロールを強化するほか、
クマが活動する朝夕の外出を控える
▽騒いだりしてクマを興奮させない
▽ごみ袋はにおいが漏れないよう密閉する-
などの注意点を記したチラシを配布。
目撃地点付近の山中に捕獲用のおりを設置し、警戒を続けている。