毒物は肝臓でP450により水酸化されるということしか習ってこなかった!
構造式(Wiki)
グルクロン酸抱合 (glucuronidation)
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グルクロン酸はきわめて水に溶けやすい分子であり,これと化合することにより毒物の水溶性が高まり腎臓から排泄されるようになると高校生物でも教えているらしい。(啓林館)
構造式 Wiki
ウリジン二リン酸グルクロン酸 UDP glucuronic acid
まず毒物は肝臓の小胞体内で酸化,還元,加水分解などを受ける。毒物はOH基,COOH基,NH2基などをもつようになり,こうなったものが次のステップで抱合を受ける。
抱合とは外来の毒・薬物やホルモン・胆汁酸などが,親水性の分子に付加される反応のことで,
グルクロン酸抱合,
グルタチオン抱合,
硫酸抱合,
グリシン抱合
などがある。
By 世界大百科事典
…肝臓はからだの中でいちばん大きな化学工場であり,生体にとって有害な物質を無害な物質に変化させる解毒機構を有している。
グルクロン酸抱合は最も大きな解毒機構であるが,このほか水酸化,メチル化,アセチル化,エーテル硫酸化,グリシン抱合,システイン抱合などの解毒機構があり,いずれも脂溶性の高い化合物を水溶性の化合物に代謝し,排出されやすくする。
しかし,これらの解毒機構により,必ずしも毒性が低下するばかりとはいえない。
アロマテラピーに使われる精油とはなにか
news.mynavi.jp
アロマテラピーに使用される精油またはエッセンシャルオイルとは、特定の植物から抽出して製造されたものです。植物から抽出された純度100%のもののみを精油と呼び、不純物が混ざっていてはいけません。
1mlの精油を製造するのにその100から1,000倍の質量の植物が必要なため、種類によっては大変貴重で高価になります。100%天然植物由来の精油ですが、特殊な製造行程により極度に濃縮されているため人間でも誤って飲み込んでしまうと危険です。
なぜ猫には精油が危険なのか
なぜ猫には精油が危険なのか。一番の理由は、猫の肝臓の機能が犬や人間の肝臓と少し違うからです。
肝臓の重要な働きのひとつに、解毒があります。肝臓は体にとって有害な物質を無害な物質に変化させています。
猫の肝臓には、重要な解毒機構のひとつであるグルクロン酸抱合がないことがわかっています。
そのため本来グルクロン酸抱合で分解されるべき精油の一部の成分が、解毒できず、体に溜まって悪影響を与えているのです。
同様に、グルクロン酸抱合の能力が弱いとされるフェレットでも、精油の毒性がでやすいことが分かっています。
なぜ猫はグルクロン酸抱合ができないのか?
猫が人間や犬と一番異なる点は、完全肉食動物だということです。ネコ科の動物は肉を摂食しないと生きていけない完全肉食動物です。つまり、人間のベジタリアンの方のように野菜と穀物だけでは生きていけないのです。
犬も肉が大好きですが、肉を摂食しなくても生きていけるため雑食動物に分類されます。そして、フェレットも完全肉食動物です。
完全肉食動物である猫とフェレットがグルクロン酸抱合の能力が低いのは偶然ではないでしょう。
野生の完全肉食動物は植物をあまり摂取しないため、肉食に合った肝機能が残り、グルクロン酸抱合など不必要な能力は退化したのだと考えられます。
精油には植物の有機化合物が何倍にも濃縮されている
また、ユリ科植物が猫にとって危険であることは有名ですが、他にもサトイモ科、ナス科など数多くの植物が猫に対して毒性があります。
全ての植物が猫にとって危険ではありませんが、私たち人間や犬と比べると危険な植物が格段に多いと認識しておいた方がいいです。
猫の中には猫草、キャベツやレタスを好む猫もいます。
猫が食べても大丈夫な植物であれば少量食べてももちろん問題ありません。
しかし精油には植物の有機化合物が何倍にも濃縮されているため、少量でも中毒を起こしやすいのです。
そして精油の毒性の怖い所は蓄積性がある点です。数年のアロマテラピーの影響が、ある日突然症状として現れる可能性があります。
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