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我教は書籍を尊まず、故に天地を以て経文とする

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若い皆さんはまだまだ書籍に頼る必要がありますが、私は最近は論文も殆ど読みません。1900年代の価値ある論文などを少し読む程度です。
 
後は気象とか風とか太陽とか空とか自然の微妙な変化を感じるように生活をしています。花鳥風月の世界ですね。そんなに優雅な生活ではなく結構、畑作業では汗水で大変ですが。
 
二宮翁の考え方は面白いですね。
 
二宮翁夜話 巻之一          福住正兄筆記 
 
  geocities.jp/sybrma/31ninomiyaouyawa
 
一 
翁 曰、 夫(それ)誠の道は、学ばずしておのづから知り、習はずしておのづから覚へ、書籍(シヨジヤク)もなく記録もなく、師匠もなく、而して人々自得して忘れず、是ぞ誠の道の本体なる、
 
渇して飲み飢て食ひ、労れていねさめて起く、皆此(コノ)類なり、古歌に
 
「水鳥のゆくもかへるも跡たえてされども道は忘れざりけり」
 
といへるが如し、夫記録もなく、書籍もなく、学ばず習はずして、明らかなる道にあらざれば誠の道にあらざるなり、
 
夫 我教は書籍を尊まず、故に天地を以て経文とす
 
我が歌に
 
「音もなくかもなく常に天地(アメツチ)は書かざる経をくりかへしつ ゝ」
 
とよめり、 此(カク)のごとく日々、繰返し繰返してしめさるゝ、天地の経文に誠の道は明らかなり、
 
掛(カカ)る尊き天地の経文を外にして、書籍の上に道を求る、学者輩の論説は取らざるなり、
 
能々目を開て、天地の経文を拝見し、之を誠にするの道を尋ぬべきなり
 
夫世界横の平は水面を至れりとす、竪の直は、垂針を至れりとす、凡此(かく)の如き万古動かぬ物あればこそ、地球の測量も出来るなれ、 是を外にして測量の術あらむや、
 
暦道の表を立てゝ景を測るの法、 算術の九々の如き、 皆自然の規にして万古不易の物なり、此物によりてこそ、天文も考ふべく 暦法をも算すべけれ、此物を外にせばいかなる智者といへども、 術を施すに方なからん、
 
夫我道も又然り、天言いはず、而して、四時行はれ百物成る処の、 不書の経文、不言の教戒、
 
則米を蒔けば米がはえ、麦を蒔けば麦の実法るが如き、万古不易の道理により、誠の道に基きて之を誠にするの勤をなすべきなり
 

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