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論文に改ざん、捏造、東大

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まあこの種の分子生物関係研究にはウソと欺瞞がどうしても生じやすいのです。数億円単位の巨額な研究資金が一部の研究者に湯水のように流れ込み1+1 = 2の世界ではないのですから。
 
また多くの大学教授は審議会、学会評議員活動で忙しく、研究などどうでも良いというか、若いものに任せておけということになる。真摯な研究者というよりも研究室の金と人を采配する研究ブローカーのような姿になってしまった。
 

東大論文に改ざん、捏造 予備調査、43本「撤回が妥当」
 
2013年7月25日 12時03分     中日新聞
 
 東京大分子細胞生物学研究所の加藤茂明元教授らが発表した論文に多数の改ざんや捏造があり、43本は「撤回が妥当」とする予備調査報告書を東大がまとめたことが25日、東大関係者への取材で分かった。
 
 東大は外部からの指摘を受け、加藤元教授が関わった論文165本を調査。画像の改ざんや捏造が見つかった。
 
 報告書は
 
「加藤元教授は直接作成に関わっていないにせよ、東大の学術研究に対する社会的な信用を損なう事態を招いた。重大な責任を負うべきだ」
 
と指摘している。
 
 加藤元教授は取材に対し
 
「改ざん、捏造があったのは事実」
 
としている。
 
(共同)
 
情報1(1000nichi.blog73.fc2.com/blog-entry-1888)
 
米国の科学誌に2003年に載った論文の研究データに不適切な処理があったとして、東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授らが論文を取り下げたことがわかった。
 
加藤教授は3月末、監督責任があるとして東大を辞職した。この論文を含め複数の論文でデータの使い回しや加工の疑いがあるとの指摘が大学外からあり、東大は調査委員会を設けて調べている。
 
 取り下げられた論文は、難病の仕組みを研究したもので、著名な科学誌「セル」に掲載された。加藤教授が指導監督した。取り下げの詳細な理由は明らかにされていないが、加藤教授らは実験結果の図について
 
「実験データを正しく反映できていないなど不適切な処理があった」
 
と同誌に説明している。
 
 しかし、記事には"一方、論文投稿時に加藤教授の研究チームに所属し、論文の筆頭筆者だった群馬大の教授は、取り下げに同意しなかった"とあり、論文の筆頭筆者は不正を認めていないと思われます。
 
 そして、不思議なのはこの論文の筆頭筆者の名前が報道されていないことです。

 この後スケールのでかい捏造事件があったのですけど、こちらでも名前の報道はありませんでした。
 
 それについて扱った東邦大藤井善隆元准教授の全論文193本に不正・捏造の疑い、世界新記録か?では、以下のように書きました。

 あと、なぜ記事では名前を伏せているのかがわからないのですけど、まだ不正と決まったわけじゃないからでしょうか?
 
 不正論文で辞任の加藤茂明教授、捏造防止を若手に訴えていたの加藤茂明さんの場合は、飽くまで「監督責任」であり、本人は違うってことでの実名報道ですかね?
 
 そう言えば、このとき不正により関わっていたであろう責任者、群馬大の先生については、名前が報道されませんでした。
 
 ただ、不正を行ったと思われる当人の名を伏せて、上司だけ実名報道するというのは、不思議な判断基準です。
 
イメージ 1
 
 
情報2(gungho-dynamo.jugem.jp/?eid=289)
 
東大教授、Dr. Kato 辞職の顛末

2012.04.05
  “東大教授が引責辞任 論文に不適切データか”2012年04月05日 付、朝日新聞:

 記事によると、「米国の科学誌に2003年に載った論文の研究データに不適切な処理があったとして、東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授らが論文を取り下げたことがわかった。加藤教授は3月末、監督責任があるとして東大を辞職した。
 
この論文を含め複数の論文でデータの使い回しや加工の疑いがあるとの指摘が大学外からあり、東大は調査委員会を設けて調べている。
 
イメージ 2
 
・・・取り下げの詳細な理由は明らかにされていないが、加藤教授らは実験結果の図について『実験データを正しく反映できていないなど不適切な処理があった』」と同誌に説明している。」という内容である。
 
さすが、日本を代表する、「御用学舎」東大を「日本政府日報」朝日新聞が取材した記事だけのことはある。内容がさっぱりわからないように、気を使って幾重にもオブラートに包んでいる。気配りは社会人としての務めである。
 
しかし、グローバリゼーションが進行している世の中では、この種の不祥事は丸裸にされ白日の下に晒される。それが真実であるならば。虚偽、ねつ造、隠ぺい、剽窃に明け暮れている日本のマスコミよりも獰猛である。
 
イメージ 3
 
以下、わかったことは以下のとおり。この程度のことは、10分もあれば調べられる。:

 事の発端は、2011年末、加藤教授が、過去に発表した論文(2009年)を訂正したことだ。おそらく、外部からの指摘を受けてのことだろう。その際、訂正しても、「当該論文の結論には影響しない」と主張した。そして、そこで用いられた図表は、
 
「ケアレスミスで間違ったものが何回も使われてしまった。」
 
と述べたという。
 
 不審に思った研究者が、2001年まで遡り、加藤教授の手になる、24本の過去論文を検証したところ、その手の図表の明らかな改竄やねつ造が数えきれないほど見つかったという。
 
セル、ネイチャー、PNAS(the Proceedings of the National Academy of Sciences)という国際的な科学雑誌・機関に掲載された論文だけに衝撃は大きかったという。
 
イメージ 4
 
そして、匿名の研究者が、ねつ造の手口の一部始終をわかりやすくビデオにまとめ、ユーチューブにアップしてしまった。これが動かぬ証拠となり、さすがの東大も動かざるを得なくなったらしい。

 科学者が功を焦るあまり、間違いを起こすことよくあることだし、直ちには責められない。
 
昨年、イタリアの研究者が「ニュートリノが光より速い」というOPERAでの観測結果を発表して、世界を驚かした。理論値と観測値の間に60ナノ秒という差異があったからだが、観測時の測定ミスが判明して物理学の世界は平穏に戻った。

 しかし、加藤教授の場合は、ニュートリノの実験と異なる。
 
一旦、認められた研究成果は次の研究への足掛かりとされるからだ。2001年に始まる「ねつ造論文」は世界各地の研究者が引用し、高次の研究へと発展していった。その根底が崩れたわけだ。
 
この間、加藤教授の研究成果を信じて、何人もの世界中の科学者が無駄な時間と研究にエネルギーを費やしてきたわけだ。そのimplication、ramificationは大きい。

 以上は、「DIMBERU: The right kind of science」を参考にした。
加藤教授らの動機には、地位とカネ、すなわち、強欲主義があることは明らかだ。
 
 「doctor」という単語を動詞として使うと、「to change something in order to deceive somebody」(他人を騙すために改竄する)という意味が出てくる。
 
残念ながら、Dr. KatoのDr.は尊称ではなく、Doctoringという動名詞になってしまった。
 
国際的な大学の評価項目のひとつに引用論文の回数という指標がある。加藤教授のこれまでの業績が東大のランクを30位にとどまらせたことは疑いがない。
 
しかし、今回の件で、東大ばかりでなく、日本の評価も落とすことになった。いうまでもなく、原子力発電ビジネス推進の立場から、プルトニウムを飲んでも大丈夫という医学部准教授や工学部の東電派遣教授、脆性破壊には目もくれず原子炉定年延長を主導した工学部教授など、名物教授たちの国際的評価は高い。
 
しかし、高校生たちの秋入学を検討する前に、浜田総長は、論文剽窃・ねつ造がつづく研究者の質をどう引き上げるかこそ喫緊の課題だろう。ご専門のマスメディアの質向上も俎上に上げなければならないでしょう、Dr. Hamada.

 福島原発事故で東大という組織がいかに学問からかけ離れ、政治的なプロパガンダ機関に特化してきたかがわかった。
 
TPPでも消費増税でも、東大の経済学者たちが活躍している。ノーベル賞から遠いはずである。そこにはアカデミズムの本来のあるべき姿が見えない。ウォール・ストリートばりの強欲資本主義に染まった曲学阿世の輩しかいない。

 先に引用した「DIMBERU」の末尾を以下のパラグラフで締めくくっている。

“Science does not need punitive measures against those who are wrong, such as the team in Switzerland, because being wrong can still teach us something. However, intentional falsification of experimental results harms everyone involved, and it harms the integrity of the scientific method. This is not the right way to do science, and I hope that, as it did in the neutrino story, the truth will prevail here as well.”

(スイスの研究者たちはまだ許せるが、加藤教授らが行ったことは、その研究結果を信頼して研究にいそしんだすべての研究者に損害を与えただけではなく、科学的方法論の正当性を毀損させた。その罪は大きい。とまれ、「天網恢恢疎にして漏らさず」はここでも果たされたというべきか。)
 
 

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