赤錆と黒サビの違いを教えてくださいとKidsが言う。私もあまり知らないが興味尽きない題材である。サビにおけるpHとか水の役割をKidsは知りたいようである。
赤サビや黒サビの違いは大学入試にもたまに出題されることがあります。さらにマグネタイトやフェライト、ヘマタイト、赤色顔料、黒色顔料など様々なことが関係して鉄の酸化物は難しい。
赤色顔料では古代から使われてきたベンガラがある。インドの土は赤いですね。Wikiによると合成酸化鉄赤が Pigment Red 101 で、天然酸化鉄赤が Pigment Red 102 であるという。化学組成は鉄の赤錆と同様。
弁柄(べんがら、Bengala、紅殻)
酸化鉄赤(Red Iron Oxide)
赤色顔料・研磨剤のひとつ。酸化第二鉄(赤色酸化鉄、酸化鉄(III)、Fe2O3)を主要発色成分とする。
赤錆びFe2O3Rust
黒錆びFe3O4Black Rust
Fe3O4は鉱物名マグネタイトと呼ばれる黒色磁性物質で黒錆びの主成分である。磁気記録に使われているのは Fe2O3。
赤色顔料などに使われるものとは結晶構造が異なるγ-Fe2O3 というもので,これは磁石になる.通常の顔料やフェライト原料などに使われる Fe2O3 はα-Fe2O3 です。
Kidsの実験では下のTDKの資料にあるように天上にネオジム磁石を吊り下げて様々な金属塩の磁性実験を行いました。より定量的には電子天秤の併用が望まれます。
tdk.co.jp/techmag/ninja/daa00593
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酸化鉄(III) Iron(III) oxide
Wiki情報
酸化第二鉄(ferric oxide)、ヘマタイト (Hematite)、赤色酸化鉄(red iron oxide)、合成磁赤鉄鉱(maghemite)、弁柄(colcothar)あるいは単に錆として知られる、幾つか存在する鉄の酸化物の一つで、常磁性を示し、組成式はFe2O3で示される化学物質である。
結晶は硬く金属光沢をもった黒色だが、粉末になると赤褐色を示す。一般的にみられるものは常温常圧で生成した微結晶の集合で、非常にもろい赤褐色の固体。
水酸化鉄の脱水や、金属鉄の自然酸化によって生ずる。赤鉄鉱を構成しており、これを還元して金属鉄を得る。「赤さび」と呼ばれる錆は、鉄の自然酸化によってこの物質ができることによって生ずる。
ヘマタイトの結晶は微細な針状結晶の集まりに見えるイタリア産の鉄バラを持っている。
positivi.jp/jiten/hematite/post-203
スイスのアルプスや、ブラジルのミナス・ジェライス州などからは、「アイアン・ローズ(鉄のバラ)」と呼ばれる、細かいウロコ状の結晶がバラのような形に集まったヘマタイトが採掘されます。
アイアン・ローズは、ヘマタイトが火山ガスから薄い板状に直接結晶化したときに形成されると考えられています。
塊状のヘマタイトと違い、鉄鉱の成分がすくないため、資源として利用されることはありませんが、形状のおもしろさから、コレクター品としてたいへん人気があります。
minfind.com/mineral-142280
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マグネタイトは正八面体の塊が明瞭に見える。この2つはデスクの上に置いている。
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赤錆とは/なぜ赤錆がおきるのか
(jspkk.co.jp/NMR/sabi)
赤錆発生のメカニズムは、酸化反応により鉄表面が電子を失ってイオン化し、鉄表面から脱落して行くことで進行します。生じたイオンは酸素により鉄酸化物(酸化鉄)、または水により鉄水酸化物(水酸化鉄)に変化して鉄表面に堆積します。
よって、『配管』などに流れる水や酸素が、赤錆を生むのです。これはやむを得ないことです。
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また、赤錆を誘引するものには「塩素」が挙げられます。水道水は雑菌の繁殖を抑えるために、一定以上の「塩素」を含むことが条件です。ゆえに、ほっとけば赤錆の進行が進むということになるのです。
ところで、黒錆(マグネタイト)は普通の状況ではできません。還元炎で赤錆を還元し、作ることができます。
以前は、鉄は「腐る金属」として忌み嫌われていました。
しかし、黒錆を発見してからは上手く利用することにより人工的に黒錆をつけ、鋤や鍬、鉄瓶や鍋などの鉄製品が錆びないようにしていました。古いものでは奈良平安時代の神社、仏寺の色の黒いクギや蝶番(ちょうつがい)が錆びないことで有名です。
黒錆は現在でも鉄の錆び防止に使われています。黒錆は赤錆と比較して体積が10分の1以下の針状の固い結晶であり、鉄の酸化(赤錆)を防ぐ物質として、今でも様々な用途に鉄のコーティングとして利用されています。
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