Quantcast
Channel: blog化学
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2255

“今”を見せたがる学生と、“今まで”を知りたがる企業

$
0
0

“今”を見せたがる学生と、
“今まで”を知りたがる企業

diamond.jp/articles/-/52612?page=4       news.nifty.com
 
さて、今回、“部活”と“アルバイト”の2つのアンケート調査を考察して見えてきたのは、就活では“今”よりも“今まで”の能力を重要視している点である。
 
学生は企業側に対して、“今の自分”を見てほしいとアピールしようとするが、企業側はその学生の本質を見抜こうとしているので、その人が育ってきたプロセスの“今まで”を探ろうとしているのである
 
 “今”を演じる学生と、“今まで”を探る採用側――。
 
このように、需要と供給で求めているものに大きなズレが起きているために、学生は就活に苦戦するのである。
 
「部活動」という“今まで”のコンテンツでは内定獲得数に差が出て、「学生アルバイト」という“今”のコンテンツでは、あまり内定獲得数に差が出ないという調査結果になってしまうのである。
 
そう考えれば、今の就活のテクニック本に書かれている内容が、いかに付け焼刃なものになってしまうのかが理解できるはずである。
 
面接官に好感を持たれる態度の取り方や、返答の仕方などが、こと細かく就活本に記載されているが、そのような学生が取り繕った付け焼刃の“第一印象”などは、面接官にはいとも簡単に見抜かれてしまう可能性が高い。
 
面接官をしているのは、40~50代の中高年のサラリーマンたちである。この年齢になるまで、社会でたくさんの良い出会いがあり、そして、それと同じぐらい、精神的に追い込まれるほどの辛い出会いも、彼らはたくさんしてきているはずである。
 
イメージ 1長い間、サラリーマンをやってきて、騙したり騙されたりを繰り返したことで、少なからず、この人が信じられる人間なのか、それとも信じられない人間なのか、第一印象や言動ですぐに判断できる目は養われていると言ってもいいだろう。
 
人生の達人たちを前にして、人生経験の浅い、まして仕事の修羅場もくぐってきていない学生が、面接官に対して印象を良くするために、小ざかしいテクニックで対抗しても、簡単に見抜かれてしまうことは明らかである。

“今まで”の自分に自信を持たせてあげるために、
“開き直り”の言葉をかけてあげよう
 
そのような厳しい状況を考えれば、親が我が子に対して、就活のテクニックに関する話をしても、あまり意味のないことが理解できる。
 
 「面接では○○をしたほうがいい」
 「こう聞かれたら、こうやって答えなさい」
 
このように親が、ネットで調べた知識や、本をちょっと読んで得た知識をアドバイスしたところで、面接時に与える影響というのは、あまり大きくないことは明らかである。むしろ、その手の就活テクニックに関しては、今の情報化社会における就活生であれば、最低限必要なノウハウは身に付けているはずなので、今更、当事者でもない親が口を出しても、意味のないアドバイスで終わってしまう。
 
それであれば、就活の際に自然体でいられる助言のほうが、よっぽど精神的にプラスになるといえる。
 
少なからず、二十数年間、社会でまっとうに生きてきた学生であれば、誰かしらに好かれてきたはずだし、必要とされてきたはずである
 
*まさしく好かれる子は不思議なほど何社からも内定を取ってくる。しかし、それが人生にとって良いかは別問題。私が過去、論文化している学生の仕事の殆どは雰囲気の優しい子の仕事である。生意気な女子学生の仕事はそれがどんなに立派でも論文にしていない!ということに最近、気がついた。
 
4年生の研究が学術誌に掲載され修士の研究は放りっぱなしで論文化していないという現実がある。
 
それが体育会系の部活動でなかったとしても、アルバイト先や遊び仲間に好かれて、充実した人生を送ってきたことは間違いない。
 
そのような人物であれば、自然体で就活に臨んだほうが、人に好かれる雰囲気を出せる可能性が高いといえる。
 
なぜならば、就活は“今”ではなく“今まで”を見るテストだからである。“今”の取り繕った「好かれる雰囲気」よりも、その人が本来持っているはずの“今まで”の「好かれる雰囲気」のほうが、説得力のあるオーラを醸し出せるといえる。
 
だから、身構えて就活に臨むよりも、開き直ってありのままの自分が出せるようにアドバイスすることが、今、就活で悩む我が子に対して親ができることだといえる。
 
 「大丈夫、大丈夫、なんとかなるよ」
 「仕事なんて、何度でもやり直しがきくんだから」
 「会社も仕事も、世の中にいくらでもあるんだから」
 
このような、人生の先輩だからこそできる、肩の力が抜けられるようなアドバイスが、就活生にとって、ありのままの自分が出せるようになるきっかけになるのではないだろうか。
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2255

Trending Articles