春先のアサリに要注意ですね。TTXに活性サイトは類似のsaxitoxinでナトリウムイオンチャンネル阻害という。正に生物兵器ですね。
blog.goo.ne.jp/ekitait1987
主骨格はO原子を含むアダマンタン骨格で、アルカロイドに分類されます。
その隣にサキシトキシン(STX)なんてのも描いたけど、実はこいつもフグ毒の一つだったりします。
効能はTTXと同じで、ナトリウムチャネルのタンパク質にくっついてNaイオンの細胞内への流入を阻害するってもの。
サキシトキシン
麻痺性貝毒と呼ばれ、ネオサキシトキシン、ゴニオトキシン群とともに赤潮の原因である渦鞭毛藻が産生する毒素で、マガキ、ホタテガイ、ムラサキイガイ、アサリなど、主に二枚貝がこれを摂食し体内に蓄積し毒化する米国陸軍は1969年まで、サキシトキシンを産生する原生生物Alexandrium catenellaの培養に成功し、この毒素を大量に製造・保持していた(group-midori.co.jp/logistic/bc/biology/saxitoxin.php)。
大阪湾などで貝毒発生、発生メカニズムは未解明…トリガイ漁にも打撃
産経 5月15日(木)9時4分配信 headlines.yahoo.co.jp
アサリなどを毒化させる「貝毒」の被害が、昨年に続き今年も大阪湾で広がっている。
「二枚貝を採らないように」
という大阪府の注意喚起を受け、府内のトリガイ漁は自主規制に追い込まれ、シーズン真っ盛りの潮干狩り場でも客足の鈍化が懸念される。原因となる毒素を持ったプランクトンの発生メカニズムは未解明で、農林水産省が調査に乗り出したものの、打撃は避けられそうにない。
■大打撃
「せっかく今年は豊漁だったのに、採れなくなるなんて…。大打撃です」
トリガイ漁を営む泉佐野漁業協同組合(同府泉佐野市)の大伍健一理事(40)は頭を抱えた。今月上旬、大阪湾で採れたアサリやトリガイなどの二枚貝から相次いでまひ性貝毒が検出されたからだ。中には毒が国の規制値の20倍近くに上るケースもあった。
これを受け、府内のアカガイやトリガイ漁は軒並み自主規制に追い込まれた。漁協によると、貝毒のため収入が半分程度に落ち込む漁師もいるという。
貝毒の影響は、府内3カ所の潮干狩り場にも及ぶ。客が持ち帰るアサリは別の産地で採れたものを用意するなど安全に細心の注意を払っているが、風評被害で客足は伸び悩みがち。二色の浜潮干狩り場(同府貝塚市)によると、貝毒が発生すると、通常の年よりも2~3割程度客数が減るといい、府の担当者も
「抜本的な解決策はわからず、注意喚起するしかない」
と話す。
■原因はプランクトン
貝毒の原因は「アレキサンドリウム・タマレンセ」という植物プランクトン。
毒素を持ったこのプランクトンを、アサリなどの二枚貝が摂取することで発生する。府立環境農林水産総合研究所水産技術センター(岬町)によると、このプランクトンは大阪湾で平成14年以降たびたび発生。近年大阪湾の水質が改善され、“競合相手”となるケイソウが激減した結果、検出されるようになった。
食べると舌や唇がしびれ、最悪の場合には呼吸困難などで死亡するケースもある。昨年5月には大阪市住之江区の大阪湾で、ムラサキイガイを採って食べた同市内の夫婦がふらつきや嘔吐などの症状を訴え、病院に搬送された。
■他県でも発生
貝毒が発生しているのは大阪湾だけではない。厚生労働省によると、貝毒が原因の食中毒は21~25年に14件発生。今月に入っても、愛媛県愛南町沖や高知県宿毛市沖で養殖されているヒオウギガイから貝毒が検出されている。
まひ性貝毒が検出されると継続的に監視を行い、3週連続で国の規制値を下回れば地元自治体が安全宣言し自主規制を解除する。だが、農水省などによると、その期間に科学的な妥当性はないという。
被害が全国に拡大したことを受けて、農水省は今年度から調査を始めた。3年間にわたって全国でモニタリング調査を行い、プランクトンと貝毒の相関関係や毒性の保持期間を調べ、適正な規制期間を検討する。担当者は「全国の自治体の安全対策に反映させたい」としている。
まひ性貝毒、アカガイから規制値の10倍…大阪湾採取で検出
2014.4.23 23:09 iza.ne.jp
大阪府は23日、大阪湾で採取されたアカガイから国の規制値の約10倍、トリガイから約1・5倍のまひ性貝毒をそれぞれ検出したと発表した。また、前回の調査で規制値を超える貝毒が検出された箱作海岸(阪南市)のアサリや淀川のシジミの数値が引き続き規制値を超えていたことも明らかにした。
府は安全性が確認されるまで、府沿岸で採取したアカガイやトリガイなどの二枚貝を食べないよう呼びかけている。府内の潮干狩り場では、潮干狩り用のアサリとは別に、持ち帰り用の安全なアサリを用意するなどの対策をとっている。
Paralytic Shellfish Poisoning
nwfsc.noaa.gov/hab/habs_toxins/marine_biotoxins/psp/
The structure of the most potent component of the PSP toxins is called saxitoxin and referred to as STX. Its structure was determined about 30 years ago.
Since then, it was found that PSP is caused not by just one toxin but a suite of toxins, based on the backbone structure of the saxitoxin molecule.
All of these toxins are low molecular weight, water soluble, nitrogen containing compounds.
In the structure below, replaceable constituents are indicated by R1, R2, R3, and R4.
The moiety in blue is the carbamoyl moiety making saxitoxin a carbamate derivative. Most carbamates are quite toxic to humans.
The replaceable groups can be hydrogens, hydroxyls, or sulfate groups. The various isomers that are created with these different groups attached to the basic STX molecule form a very potent toxic suite.
図1
In the above table under Carbamoyl Saxitoxins, STX stands for saxitoxin, NEO stands for neosaxitoxin, and GTX refers to gonyautoxins (sometimes called 'gonytoxins').
These names are based on species names from which the toxins were isolated. For example, saxitoxin was isolated from the Alaska butter clam (Saxidomus giganteus) while the generic gonyautoxins were named after the old name of Alexandrium catenella (old name: Gonyaulax catenella).
Neosaxitoxin and saxitoxin are the most potent of these toxins. While the "Sulfamate toxins" are toxic, they are the least toxic of the PSP suite, some of these toxins are about 1/10 the toxicity of neosaxitoxin.
図2 R4がスルフォン基であることに興味がある。長い付き合いである!
When the carbamoyl group is removed from the basic structure, we have the decarbamated toxins. These structures have only been recently elucidated.
Their basic naming structure is based on the removal of the carbamoyl group (-OCONH2) and replacing it with a hydrogen (yielding a hydroxyl group (-OH), hence decarbamoyl saxitoxin. For the basic structure of the decarbamoylated saxitoxns see the structure below:
図3
貝毒
www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/SODAN/faq/kaidoku
Q: 潮干狩りの季節となりましたが、「貝毒」とは何ですか、アサリにもありますか?
A: 春になり、水も温み、これから潮干狩りの季節となりますが、気になるのが「貝」が食べられるか?「貝毒」です。
まず、貝毒ですがこれは症状により、
(1)麻痺性貝毒、
(2)下痢性貝毒、
(3)神経性貝毒、
(4)記憶喪失性貝毒の4種類と
(5)アサリ毒
(2)下痢性貝毒、
(3)神経性貝毒、
(4)記憶喪失性貝毒の4種類と
(5)アサリ毒
が主な貝毒と思われます。
以下それぞれの特徴等を述べます。
(1) 麻酔性貝毒
中毒症状--食後30分で口唇、舌、顔面のシビレ、手足にも広がる。軽症の場合は、 24~48時間で回復しますが、重症の場合は、運動障害、頭痛、嘔吐、言語障害、流涎等の症状が現れる。麻痺が進行すると呼吸困難で死亡することがある。
対 応--治療薬なし。対症療法として、胃洗浄、人工呼吸
毒化機構--二枚貝が有毒プランクトン(渦鞭毛藻Alexandrium属)を摂取、中腸線に蓄積される。
毒化貝--二枚貝のホタテガイ、ムラサキガイ、アカザラ、アサリ、ヒラオウギ、
マガキ等。
マガキ等。
その他--北海道で生産量の多い養殖ホタテが夏頃になると毒化して、業者を悩ましています。また、広島のカキも毒化し、その範囲が広がっています。
毒性分はサキシトシンであり、その毒力はフグ毒に匹敵します。
毒性分はサキシトシンであり、その毒力はフグ毒に匹敵します。
(2) 下痢性貝毒
中毒症状--激しい下痢が主な症状で、吐き気、嘔吐、腹痛を伴うこともある。死亡例なし。
毒化機構--二枚貝が有毒プランクトン(渦鞭毛藻Dinophysis属)を摂取、中腸線に蓄積される。
毒化貝--ムラサキイガイ、ホタテガイ、コマタガイ等。
その他--上記(1)麻酔性貝毒と同様に北海道では毎年のようにホタテガイが毒化する。毒力はフグ毒の16分の1程度です。
(3) 神経性毒貝
中毒症状--食後数時間して、飲み物飲んだときに口内にヒリヒリ感がある。やがて顔、のど、身体全体に広がり、酔った状態になる。瞳孔散大、運動失調、下痢
の症状が現れる。2から3日で回復。
の症状が現れる。2から3日で回復。
毒化機構--渦鞭毛藻Gymnodinium breveの赤潮が頻繁に発生し、それによってカキが毒化する。
その他--日本での発症例はなく、毒成分はブレベトキシンです。
(4) 記憶喪失性貝毒
中毒症状--主症状は胃腸、神経症状である。
原因物質--ドウモイ酸(脳神経系における主要な伝達物質、興奮性アミノ酸)。
その他--日本での発症例は無いが、ドウモイ酸を産生すると言われている赤潮は見られる。南西諸島や鹿児島における紅藻類のハナヤナギはドウモイ酸を持っている。1987年11~12月、カナダ東岸でムラサキガイによる中毒で、患者107名中死亡4名、記憶喪失12名の事例がある。
(5) アサリ毒
中毒症状--食後24~28時間で、悪寒、食欲、不痛、倦怠感、悪心、嘔吐、便秘等があり、皮下出血班が必ず見られる。
2~3日後に、口、歯茎、鼻等の粘膜に出血、口臭が特徴、黄疸も見られる。重傷の場合は、神経錯乱を起こし1週間以内に死亡する。
毒化機構--原因は、渦鞭毛藻説や酵素説があるが不明である。中腸線に蓄積される。
毒化貝--アサリ、カキ、カガミガイ等。
その他--春先に特定の地域で毒化する。過去には大規模な食中毒で、185名の死亡を出したこともある。
以上のことから、潮干狩りに行かれる方は、マスメディア等のニュースに注意するとともに、地元漁協が管理している潮干狩り場が安全と思われます。