経験者81名に聞く・大学生が留年する5つの理由 留年が偉いという雰囲気…?
2014.09.11 12:00 news-postseven.com
大学進学率が50%を超え、進学先を選ばなければ誰でも大学に入学可能という「全入時代」に突入した日本。
通常、日本の大学は4年で卒業するもの(医学部や薬学部などの例外を除いて)ですが、なかには何らかの事情で同じ学年に留まる「留年」をする人がいます。
留年は、学費を余計に払う必要があったり、就職活動で不利になるという説があったりとマイナスなイメージが付与されがち。
しかし、留年と一言でいってもそこには多様な理由があるようで、世代や内容によって留年の原因はさまざまです。そこで今回は、しらべぇ編集部によるアンケート調査でわかった、「大学生が留年する5つの理由」を経験者のエピソードと共にご紹介します。
(【調査概要】方法:インターネットリサーチ「Qzoo」、調査期間:2014年8月15日(金)~8月19日(火)、対象:全国20代~60代の留年経験者81名)
1:【モラトリアム型】
「半年間、世界中を一人旅していた」(女性・20代)
「インドで武者修行してたら留年しました」(男性・20代)
「海外放浪して楽しすぎて帰国しなかったため留年しました」(男性・60代)
「インドで武者修行してたら留年しました」(男性・20代)
「海外放浪して楽しすぎて帰国しなかったため留年しました」(男性・60代)
2:【学業以外に力入れちゃった型】
「大学生のころは勉強よりもバイトと恋愛が楽しくて仕方がなく、留年してもいいやと思っていました。結果中退しました」(女性・20代)
「学園闘争のため、単位どころではなく留年しました」(男性・60代)
「サークルと寮生活が楽しすぎて留年上限である4年留年した。結局、8年かけて卒業した」(男性・60代)
「学園闘争のため、単位どころではなく留年しました」(男性・60代)
「サークルと寮生活が楽しすぎて留年上限である4年留年した。結局、8年かけて卒業した」(男性・60代)
「うちの大学はなぜか留年している人がエラい・スゴいと思われがちで、じゃあオレも留年していいかと思って留年した。一時的に学内でエラくなった気分になっただけの愚かな行動だった」(男性・20代)
3:【無気力型】
「学生生活が嫌になり通わなくなった。やめようかと思ったが再度考え直して卒業しました」(男性・60代)
「大学の勉強に興味が持てず、単に勉強をしなかったため留年した」(男性・20代)
「精神的に不安定になり入院して留年した」(女性・20代)
「大学の勉強に興味が持てず、単に勉強をしなかったため留年した」(男性・20代)
「精神的に不安定になり入院して留年した」(女性・20代)
4:【意識高すぎる型】
「インターンしていたベンチャー企業の仕事が楽しすぎて学業そっちのけになった」(男性・20代)
「ブラジルに1年間留学していました。現在はグローバル企業で働いています。卒業を遅らせてまで留学したあのときの選択は正しかったです」(女性・20代)
「ブラジルに1年間留学していました。現在はグローバル企業で働いています。卒業を遅らせてまで留学したあのときの選択は正しかったです」(女性・20代)
5:【就職のため型】
「超氷河期で就職先が決まらなくて留年したけど、翌年も決まらなかったので素直に卒業しとけば良かった」(男性・30代)
「就活が納得いかなかったので留年した。単位は取れていたので就活に集中することができ、希望の会社から内定をもらうことができた」(女性・20代)
「就活が納得いかなかったので留年した。単位は取れていたので就活に集中することができ、希望の会社から内定をもらうことができた」(女性・20代)
■「意識高い留年」と「意識低い留年」
留年経験者に聞いて明らかになったのは、ストレートで進級している学生よりも留年生のほうが多様性があり、互いの共通点を見出しにくいということです。
たとえば留学や就職活動を理由に留年した「意識高い留年生」と、大学に通う気をなくしてしまって留年した「意識低い留年生」とでは、同じ大学生でもまったくメンタリティが異なりますね。特に、後者については就職活動に取り組む意欲すら失われているケースも少なくなく、近年では社会問題として認識されることもあります。
また、大学生は同世代の凝集性が高く、仲間同士の秩序によって自らの行動が規定されがちです。回答のなかにあった
「留年しているほうがエラいという雰囲気」
は、まさにその典型と言えるでしょう。
留年している「いま」がよくても、卒業してから、もしくは卒業前に社会から疎外された感覚になることも十二分にありえます。
おそらく、経験者に聞けば、「留年がエラい」などというのは間違ったことだと分かるはず。大学生のみなさん、悪友や悪い先輩たちに流されないよう、意義のある学生生活をおくってください。
(文/しらべぇ編集部・石川海老蔵)