動物であるから痛みを感じるのにそれを遮断するとは恐ろしい話でもある。分子の怖さを知らない薬理家が設計したのであろう。そんな薬リリカに年間195万人もの使用者がいるとは!
Pregabalin(商品名:リリカ)はカルシウムチャンネルを阻害する薬という。余りにも短絡的な考え方ですが坐骨神経痛や帯状疱疹ウイルスなどによる神経性の激痛を和らげたい患者が切望するのでしょう。
GaBAと類似の構造である。
Pregabalinの構造(en.citizendium.org/wiki/Pregabalin)
Pregabalin (marketed as Lyrica®) is structurally similar to gabapentin. It is an analog of gamma-aminobutyric acid (GABA), the major inhibitory neurotransmitter in the central nervous system.
Although pregabaliln does not act on GABA receptors, it may increase the "density of GABA transporter protein and increases the rate of functional GABA transport".
It is approved by the FDA for neuropathic pain associated with diabetic peripheral neuropathy, postherpetic neuralgia adjunctive therapy for adult patients with partial onset seizures, and fibromyalgia.
プレガバリン(商品名:リリカ)の特徴
kusuri-jouhou.com/medi/pain/pregabalin
痛みは切り傷や打撲によって起こる「炎症による痛み」、神経が障害されることによる「神経の痛み」、人間関係のストレスなどによって起こる「心理・社会的な要因による痛み」の3つに大きく分けられます。
この中でも、プレガバリン(商品名:リリカ)は神経の痛みに対して有効です。打撲などの物理的な痛みを抑えることはできません。
神経が障害されることによる痛みとしては、
・椎間板ヘルニアなどによって神経が圧迫される「腰痛症」
・腰のあたりに存在する神経の束が圧迫される「坐骨神経痛」
・帯状疱疹ウイルスによって神経線維が障害される「帯状疱疹後神経痛」
・糖尿病によって引き起こされる「糖尿病神経障害に伴う痛み・しびれ」
・腰のあたりに存在する神経の束が圧迫される「坐骨神経痛」
・帯状疱疹ウイルスによって神経線維が障害される「帯状疱疹後神経痛」
・糖尿病によって引き起こされる「糖尿病神経障害に伴う痛み・しびれ」
などが知られています。
これら神経が関わる痛みに対して全般的に疼痛緩和を行う薬がプレガバリン(商品名:リリカ)です。
神経痛に対して優れた効果を有しており、投与1週目から素早く疼痛抑制効果を得ることができます。その後、投与を続けても長期間にわたって効果が続くことが示されています。
肝臓の代謝酵素によってほとんど代謝を受けず、主に腎臓から排泄されます。そのため、薬物同士の相互作用が少ない薬であると考えられています。
主な副作用としては浮動性めまい(よろめくような、フワフワしためまい)や傾眠(眠たくなること)が知られています。
このような特徴により、神経興奮を抑制することであらゆる神経障害性疼痛による痛みを抑える薬がプレガバリン(商品名:リリカ)です。
神経が圧迫されたりウイルスによって障害されたりすると、神経が傷つくことで痛みが起こります。これがいわゆる神経痛です。より正確に言うと、神経が傷つくことによる痛みは神経障害性疼痛と表現されます。
この神経障害性疼痛に対する痛み全般を取り除く薬としてプレガバリン(商品名:リリカ)が使用されます。プレガバリンは神経障害性疼痛にのみ強力な抑制効果を発揮します。
プレガバリン(商品名:リリカ)の作用機序
痛みがずっと続く状態を「疼痛」と表現します。神経が障害されると、疼痛として痛みが引き起こされてしまいます。
この時、神経細胞にはカルシウムが流入するための受容体(カルシウムチャネル)が存在します。
疼痛が起きている状態では、カルシウムチャネルを通じてカルシウムが神経細胞内に入ってきます。これによって神経細胞が興奮し、神経伝達物質が過剰に放出されます。
この時に放出される神経伝達物質の中には痛みを引き起こす物質も含まれるため、結果として痛みが起こります。これが、神経障害性疼痛が起こるメカニズムです。
この状態を改善するためには、神経細胞に存在するカルシウムチャネルを阻害すれば良いことが分かります。カルシウムの流入を抑制することで、神経細胞の過剰興奮を抑えるのです。これにより、神経伝達物質の過剰な放出を抑制し、神経障害性疼痛を鎮めます。
神経障害性の痛み治療薬「リリカ」に重い副作用
読売 9月17日(水)21時53分配信 headlines.yahoo.co.jp
厚生労働省は、神経障害性の痛みの治療薬「リリカ」(一般名・プレガバリン)を服用した後、劇症肝炎や肝機能障害の重い副作用を発症する症例が確認されたとして、製造販売元のファイザーに対し、二つの副作用への注意を促す記述を薬の添付文書に加えるよう指示した。
同省などによると、過去3年間に劇症肝炎や肝機能障害の副作用が確認された患者は計11人。このうち、劇症肝炎で死亡した1人と、肝機能障害の7人については、因果関係が否定できないという。
リリカは、帯状疱疹後の神経痛や線維筋痛症などの治療に用いられる。2010年6月に販売を開始し、使用患者は推計年約195万人。
interq.or.jp/ox/dwm/se/se11/se1190017から勉強しましょう。
【働き】
神経障害性疼痛は神経の障害や損傷による痛みで、障害部位の違いから中枢性と末梢性に大別されます。中枢性は脳や脊髄に起因するもので、脳卒中後疼痛、脊髄損傷後疼痛、椎間板ヘルニアや頚椎症の痛みが代表的です。
それら以外の末梢性のものが末梢性神経障害性疼痛になります。例としてあげられるのが帯状疱疹のあとに残る帯状疱疹後神経痛、糖尿病にともなう有痛性糖尿病性神経障害、顔面に痛みが走る三叉神経痛などです。さらに、慢性腰痛やひざ関節痛などにおいても、神経障害が複合要因の一つとして考えられます。
このお薬は、そのような神経障害性疼痛いわゆる神経痛に有効な特殊な鎮痛薬です。痛みの感じ方はまちまちですが、効果が期待できる痛みの例として、ヒリヒリと焼け付くような痛み、ピリッと電気が走るような痛み、しびれるような痛み、ズキズキする痛み、締め付けられるような痛みなどがあげられます。 中枢性と末梢性をふくめ神経障害性疼痛に広く適応するほか、線維筋痛症に対する有効性も示されています。作用メカニズムは、痛みを発する異常に興奮した神経系において、各種の興奮性神経伝達物質の放出を抑制することによります。過敏になっている神経をしずめることから、一般的な鎮痛薬(NSAIDs)が効きにくい神経に起因する痛みに効果的なのです。
【薬理】
過剰に興奮した興奮性神経系において、電位依存性カルシウムチャネルの機能に対し補助的な役割をになうα2δ(アルファ2デルタ)サブユニットと強く結合します。すると、神経シナプスにおけるカルシウム流入が低下し、グルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の放出が抑制されます。その結果として、神経障害性疼痛や線維筋痛症による痛みがやわらぐのです。
新しい作用機序をもつ疼痛治療薬です。専門的にカルシウムチャネルα2δ(アルファ2デルタ)リガンドと呼ばれる部類です。その特異な作用から、従来の鎮痛薬が不得意とする神経障害性疼痛によい効果を示します。
化学構造的にはGABA(γ-アミノ酪酸)誘導体になり、同系の薬剤としてガバペンチン(ガバペン、レグナイト)が抗てんかん薬もしくはレストレスレッグス症候群治療薬として承認されています。
海外では、神経障害性疼痛に対する第一選択薬として位置づけられています。
また、てんかんの治療にも応用されているようです。日本での適応は「帯状疱疹後神経痛」を皮切りに、帯状疱疹後神経痛をふくむ「末梢性神経障害性疼痛」に改訂され、新効能として「線維筋痛症に伴う疼痛」が追加されました。さらにその後、中枢性と末梢性をふくめた「神経障害性疼痛」に適応が拡大されています。今後、神経障害性疼痛や線維筋痛症の治療に広く用いられることになるでしょう。
【リリカカプセル75mg】効果と副作用(ファイザー株式会社)
qlife.jp/meds/rx17666
図による説明
medical.radionikkei.jp/suzuken/final/100701html/index3