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大学で教える家業継承

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大学で考える「後継者問題」
 
 2013.9.6 11:30 SankeiBiz
 
 親の会社を継ぐか-。中小企業の経営者の子弟が「家業」と向き合い、職業選択のヒントにする講座が関西学院大で開かれた。
 
現役の経営者が教室で体験談を披露し、学生と議論。「親の後を継いで成功をつかみたい」と話す学生も出てきた。
 
 6月中旬、兵庫県西宮市の西宮上ケ原キャンパスで「現役経営者と学ぶ後継者のためのキャリアデザイン」の授業が行われていた。約20人の学生は全員、実家が事業を営んでいる。
 
イメージ 1 経営者が授業
 
 「今まで受けてきた教育の資金が家業で生み出された、という事実を認識して感謝できれば、どんな仕事をしても生きていける」
 
講師を務めた鋼管加工、日建産業(大阪市)の浜口健宏社長は諭すように話した。
 
 関学大は経営者の子供が多いといわれる。大阪市が中小・ベンチャー企業の支援拠点として設立した「大阪産業創造館」と連携し、2011年から後継者問題をテーマにした講座を開設している。
 

大学で考える「後継者問題」 (1)2013.9.6 11:30

 父、康裕さん(右)が育てた苗を持つ小野未花子さん=兵庫県市川町(共同)
 
 受講した総合政策学部4年、小野未花子さん(21)の実家は、兵庫県市川町で野菜や果物の種から苗を育てホームセンターなどに卸す育苗業を営んでいる。一人娘だが、給食サービス大手から内定を得た。「アジアの発展途上国に健康な食文化を根付かせたい」という目標に向かって来春、一歩を踏み出す。
 
 「子供を後継者とする時代ではない。外に出て、人に使われるしんどさを学んでほしい」
 
と父の康裕さん(55)。
 
 ただ、未花子さんは講座を受けて「育苗業に将来性があることに気付いた」。もし将来、家業を継いだら、途上国に育苗のノウハウを伝え、安定的に野菜を収穫できる環境づくりに貢献する、というアイデアも浮かんできた。
 
 実家が静岡市で製茶販売業を営む商学部3年の男子学生(21)は、親から「継ぐな」と言われていた。将来見通しが厳しいためだ。しかし、経営者の話を聞いて、後を継ぐことに前向きな気持ちに傾いてきたという。
 
親子だけでは限界
 
 一方、父親がかつお節の「太田屋」を経営する商学部2年、太田章平さん(20)は、大手文具メーカーで商品開発に携わる夢を追う。
 
 福井市郊外にある太田屋は、1階が事務所と乾物などが並ぶ倉庫、2階がかつお節工場だ。父の芳一さん(55)は原材料の発注や得意先回りに忙しい。章平さんの兄が後継修業中で、芳一さんは章平さんには
 
「自分の道は自分で選べ」
 
と言っている。
 
 「継ぐ、継がない、はいろいろあると思う。でも、経営は楽しい。私は楽しい人生を送っている」
 
7月の最後の授業で、浜口社長は学生たちに笑顔で話した。
 
 大阪産業創造館の山野千枝チーフプロデューサーは
 
「後継者問題を親子だけにゆだねるのは限界がある。同様の取り組みが全国の大学に広がれば」
 
と期待している。

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