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大腸内のセロトニンとセロトニン受容体

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大学の講義前の大腸the colon 異常には大変苦労している先生方が多い。学生さんにも多い。大腸の緊張なのであろうか?
 
セロトニンやセロトニン受容体は、脳内のほか腸内にも存在していることと関連らしい。そうなると大腸の機能は単なる水分の吸収のみならず思考と関与することになる。ストレスにも敏感になるわけだ。
 
怪しげなシュタイナーさんが言う腸と脳の形態の発達の平行性「腸は、下半身の脳であり、人体の上下は、互いに相応する」「人間の霊的-魂的活動は、脳形成と同時に腸形成とも結びついている」は予想外に当たっている。「上にあるものは下にもある。下にあるものは、上にもある。」のである。
 
夏に気分も心身もダルダルという時は必ず腸機能が低下している時である。腹に力がないので心底元気が出ないのである。幸せ分子、セレトニンが不足かな?
 
Serotonin Receptor

August 2013 Molecule of the Month by David Goodsell
rcsb.org/pdb/101/motm.do?momID=164
 
Introduction

Are you feeling happy today? Are you feeling hungry? Do you get migraines? All of these behaviors, and many more, are controlled in part by the neurotransmitter serotonin.
 
イメージ 1Serotonin, a small molecule made from the amino acid tryptophan, was discovered for its role in the constriction of blood vessels. Most of the serotonin in your body is found in the digestive system where it helps to control the motions needed for digestion.
 
However, the most dramatic effects of serotonin are in the brain. Less than one in a million neurons uses serotonin for communication, but these neurons help to control our emotions, moods and thoughts.
 
Moody Signals

Serotonin is released from vesicles in nerve cells and picked up by receptors on the target cell surface. There are 15 different forms of these receptors in our bodies, most of which are G protein-coupled receptors like the one shown here from PDB entry 4iar. Serotonin binds to the portion of the receptor on the outside of the cell (shown here at the top of the picture).
 
イメージ 2This induces subtle changes in the shape of the protein and sends a signal to G proteins inside the cell. In some cases, this leads to an excitatory response in the cells, and in other cases it is inhibitory, all depending on the particular receptor and its individual cellular context.
 
 
脳はバカ、腸はかしこい:?
 
藤田 紘一郎 バカな脳は自分だけが満足すればいいので、甘いものや煙草やアルコールがやめられ ず、そのたびに身体(腸)は悲鳴をあげています。

 ibsnet.jp/treatment/serotonin
 
腸は「第二の脳」といわれるように、腸と脳には密接な関係があります。
 
腸と脳は神経によってつながっていて、脳が不安やストレス(必ずしも自覚できるとは限りません)を感じると、その信号が腸に伝わって腸の運動に影響を与えることがわかっています。
 
「IBS」(過敏性腸症候群)の患者さんは、この信号が伝わりやすくなっているため、腸が過剰に反応してしまうのです。また最近では、このしくみにセロトニンという物質(神経伝達物質※1)が深くかかわっていることや、セロトニンをコントロールすることで、ストレスがあっても症状を抑えられることがわかってきたのです。
 
 セロトニンというと、うつ症状と関連してイメージする人が多いかもしれません。しかし実は、体内のセロトニンのうち、脳などの中枢神経に存在しているのはわずか1~2%程度。残りの約90%は、腸内に存在しているのです。
 
脳がストレスなどの刺激を受けると、腸の粘膜からセロトニンが分泌されます。それがさらに腸内にある「セロトニン受容体※2」と結合します。すると、腸のぜん動運動※3が異常をきたし、下痢や腹部症状を引き起こすのです。
 
 
 ストレスと消化管の関係
 
  seirogan.co.jp/medical/stress
 
ストレスにより誘発したCRFはPVNや延髄の孤束核・迷走神経背側核(dorsal vagal complex, DVC)にあるCRF type 2受容体を介して上部消化管(胃・十二指腸)の運動を抑制すると考えられています。
 
CRF(cortictropin releasing factor)(=CRH(corticorropin releasing hormone))
 
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(ホルモン)

一方、CRFはCRF type 1受容体を介して下部消化管(結腸)の運動亢進を起すと考えられています。
 
その作用機構の中心部位は、PVNとDVCにある内臓運動性核(dorsal vagal motor nucleus, DVMN))です。
 
イメージ 3
この副交感神経の興奮は消化管の筋層間神経叢(Auerbach ganglia, myenteric plexus)を刺激し、結果として平滑筋の収縮が起こると考えられています(図1)。
 
これがよく言われています“脳腸相関”です。
 
“脳腸相関”にはこのような脳から腸だけでなく腸から脳への信号伝達もあります。
 
消化管内腔の粘膜細胞に刺激が加わりますと、この信号は迷走神経下神経節(nodose ganglion)を介して延髄孤束核(nucleus tractus solitarius, NTS)へ、また、脊髄後根神経節(dorsal root ganglion)を介して視床、皮質へ伝えられると考えられています(図2)。
 
これが内臓知覚(visceral sensitivity)といわれるものです。この内臓知覚には消化管壁内に存在します内在性知覚ニューロン(intrinsic primary afferent neuron, IPAN)からの信号も関係していると考えられています。

 
過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome, IBS)は、消化器関連の病気の中では病院を訪れる患者の多数を占めるようになっており、病院で受診しない潜在的な患者を含めると成人の5-20%以上と考えられています。最近では子供のIBSの報告例もあります。
 
イメージ 4IBSはガンなどとは違って生死にかかわる重篤な疾病ではないのですが、日々の生活に支障をきたす病気として、また、その患者数が増えてきていることからも、治療法の開発が急がれています。
 
最近では、内臓知覚の過敏が過敏性腸症候群の病態の原因であると考えられるようになってきました。内臓知覚に関与しているとされるIPANの情報伝達にはセロトニン(serotonin, 5-HT)受容体が関与していることが考えられています。
 
また、ストレスにより分泌されるCRFが誘発する下部消化管運動亢進にもセロトニンが関係しているとされています。
 
ストレスはIBSの病態を悪化させることがわかっており、ストレスと脳腸相関、そしてセロトニン受容体の観点からその治療薬の開発が進んできています。
 

 

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