アルツハイマー患者のすべてが幼少期に成長ホルモン剤の投与されていたわけではないであろう。以下の記事が参考になる。
人を含めて動物の脳を食べてはいけない。
米国立衛生研究所(NIH)によると、成長ホルモン分泌不全症は脳基部にある下垂体が成長ホルモンを十分に分泌できなくなる疾患で、先天的な問題や外傷に起因する。
結果として成長が極度に遅れ、低身長となる。
標準治療は毎日の成長ホルモン注射で、1985年に合成ホルモンが開発されるまでは、主に死体の脳下垂体から抽出したホルモンが使用されていた。
米国では1963年~1985年におよそ7,700人の患者がこの治療を受けたという。1980年代、異常タンパクに汚染された死体由来ホルモンの注射を受けた後に、国内外で約200人の患者がクロイツフェルト-ヤコブ病を発症したことが明らかになり、この取り組みは中止された。 healthdayjapan.com/index.php?id=4267&option=com_content
アルツハイマー病の原因物質 人から人に感染か
9月10日 10時17分 www3.nhk.or.jp
アルツハイマー病の原因とされる特殊なタンパク質が、30年前まで使われていた薬剤の投与によって、人から人に感染していた可能性があると、イギリスの研究チームが発表し、さらなる研究の必要性を呼びかけています。
これは、イギリスのロンドン大学などの研究チームがイギリスの科学雑誌ネイチャーに発表しました。
研究チームは、子どもの頃、身長の伸びに問題があったため成長ホルモンの薬剤を投与され、その後脳の組織が破壊される難病、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症して死亡した、36歳から51歳の患者8人の脳を調べました。
その結果、患者8人のうち7人で、高齢ではないのに脳内に、アルツハイマー病の原因とされるアミロイド・ベータという特殊なタンパク質の蓄積が確認されたということです。
この薬剤は、人間の遺体の脳の細胞から抽出したもので、混入した異常なタンパク質によって、ヤコブ病を発症する報告があったため、30年前に使用が中止になりました。
調べた患者には、比較的若い年齢で、アルツハイマー病を発症するリスクを高める遺伝子の変異がなかったことなどから、研究チームは
「子どもの頃に投与されたこの薬剤にアミロイド・ベータの「種」が混入して感染した結果、蓄積が進んだ可能性がある」
としています。
調査した研究者は
「今回調べた患者は特殊な事例で、アルツハイマー病が人から人に感染することを示したわけでは決してないが、発症のメカニズムをさらに研究する必要がある」
と呼びかけています。
アルツハイマー病の一部は感染病の可能性、ロンドン大研究者がネイチャーに論文発表
Posted 16 hours ago, by Emily Thomas businessnewsline.com
一部のアルツハイマー病患者は1985年まで使用されてきた異常プリオンを含む成長ホルモン剤の投与によって感染していた可能性があることが9日、 University College LondonのJohn Collingeを中心とした研究チームが雑誌「Nature」を通じて発表した論文により明らかとなった。
研究チームは、クロイツフェルト・ヤコブ病で死亡した35~51歳の8名の患者の病理組織検査を行うことで、これらの患者の内、4名でアルツハイマー病を引き起こす異常タンパク質のアミロイドが蓄積されていたことを突き止めた。
これら4名の患者の内、3名はアルツハイマー病特有の脳内の血管に損傷が生じていることも確認された。
これらの患者は、1985年まで使用されていたヒトの死体から集めたホルモンによって作られた成長ホルモン剤の投与を受けていたことが判っており、この成長ホルモン剤に含まれていた異常タンパク質に暴露し、30~40年の潜伏期間を経て、アルツハイマー病の症状を呈するに至った可能性があることが判った。
問題の成長ホルモン剤は、クロイツフェルト・ヤコブ病を引き起こす可能性があることが判ったことから1985年に使用が停止されていたものとなる。
これまでの研究結果からは、アルツハイマー病は遺伝子と環境要因によって発病することが判っていたが、今回の研究結果は、アルツハイマー病はまた、アミノイド・タンパク質の種(amyloid-beta seeds)に暴露することで発病する可能性があることを示唆したものとなる
ただし、研究チームでは、だからと言ってアルツハイマー病が他人に感染することを意味するものではないとも述べている。