車載ミリ波レーダ automotive millimeter-wave radar
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自動運転技術開発へ前進 「ミリ波レーダー」帯域幅の拡大合意
2015.11.27 06:56 SankeiBiz
自動車大国の日米独が主導す
る世界無線通信会議(WRC)が、自動車の自動運転に活用する無線の周波数について、帯域幅を拡大し、国際規格とすることで合意したことが26日、分かった。
自動運転車の衝突回避技術に不可欠とされる「ミリ波レーダー」の精度向上に道を開くのが狙い。
自動運転の普及を後押しする技術革新が期待され、トヨタ自動車などの日系メーカーのグローバル競争が激しくなりそうだ。総務省が27日、WRCの成果として発表する。
ミリ波レーダーは、波長が1~10ミリの電波を使用し、自動運転者が前方の自動車や歩行者との距離を把握する技術。
これまでの検知性能は、100メートルの範囲で誤差20~30センチだったが、今回の周波数の帯域幅の拡大により、同じ距離内での誤差が、自動運転に必要とされる7.5センチ程度まで縮小できるという。
具体的には、ミリ波レーダーで実用化されているのは76~77ギガヘルツ帯だが、アマチュア無線や天体観測で使われている77.5~78ギガヘルツの帯域を共用できるようになる。
これにより、一般道での自動走行時の衝突回避に必要とされる77~81ギガヘルツ帯の実用化も視野に入り、霧などの悪天候時での検知性能が向上する。
今回の合意を受け、総務省は2016年以降、77~81ギガヘルツ帯のレーダーが他の周波数帯に及ぼす電波干渉などについて、試作品で実験を行い、技術基準を策定する。
官民で目指している20年の自動運転の実用化に向けて、国内の制度整備を急ぐ方針だ。
今回の合意は、今月2日からスイス・ジュネーブで開かれているWRC会合で、日米独が中心となって議論をまとめた。自動車用途以外に防犯装置としての活用も可能になる。
自動運転の核となる技術が国際標準化されることで、日系の自動車メーカーの技術開発競争が一気に世界市場へと広がることになる可能性は強い。
ただ、ミリ波レーダーは欧州系部品メーカーの世界シェアが6割強に上っており、巻き返しへ向けた体制整備が課題となりそうだ。