厳冬を越して春の香りが風に入ってきた時期である。数字狂いのKidsらもそろそろ興味が天地に向かう頃である。数字遊びももう終わりであろうか?
今は5000台の素数探しを近所の私塾の先生のところでしている。1から1000までの素数表が手渡され、心して静かに書き写せといわれたらしい。
次に、この表を利用して5000から5100までの素数(巨大なもの)を探す作業を約1時間半行なったという。深山で修行した顎から白ヒゲのお爺さん先生は脇から見ているだけで最後に1桁目が1,3,7,9の物に素数が多いとコメントして授業は終わり。
学校数学を嫌うKidsらは、この授業を楽しみにしている。一方、学校数学に同化した私は大学や大学院まで出ても、何も知らなかった、ただ問題が解ける能力のみであったことを思い知らされた。
5000台の素数探しなどしたことがないのである。
友愛数の講義もまもなく私塾で始まるらしいが、わたしはKidsの先を越してネットで勉強である。ここにおいても巨人オイラーが出てくるのである。
さてピタゴラスが初めて友愛数220と284の組み合わせを発見して、イタリアのニコロ・パガニーニが1184と1210の組み合わせを発見したという。
レオンハルト・オイラーは 1747年から1750年にかけて、59組ものペアを発見とはすごいものである。大学者オイラーも数字の魔力に興味を持っていたのであろう。
友愛数Amicable Numberとは、2つの自然数m、nにおいて一方の約数(完全数と異なりm、nは約数に入れない)の話が他方の数に等しい関係にあるもの。
3桁の数ではm = 220とn = 284。
<m = 220>{divisors of 220| 1、2、4、5、10、11、20、22、44、55,110}
Sum of divisors1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284 = n
<n = 284>{divisorsof n| 1、2、4、71,142}
Sum of divisors1+2+4+71+142=220 = mでm、nを行き来する。
フェルマーとデカルトは
In 1636, Fermat found the pair (17296, 18416) and in 1638, Descartes found (9363584, 9437056), although these results were actually rediscoveries of numbers known to Arab mathematicians.
デカルトまで研究していたのか!
Euler's Rule
mathworld.wolfram.com/EulersRule
Amicable Pair
Euler's Amicable Numbers - William Dunham
youtube.com/watch?v=TEh_4LQkkHU
A Tribute to Euler - William Dunham
youtube.com/watch?v=fEWj93XjON0
友愛数 (amicable numbers)
sites.google.com/site/yukibata6/math/amicable
友愛数は、3桁の数では上記の「220」「284」の1組しか存在しませんが、
桁数が大きくなることで無限に存在すると言われています。
友愛数の一例
(220・284)、(1184・1210)、(2620・2924)、(5020・5564)、(6232・6368)、(10744・10856)、・・・
友愛数は、それが持つ美徳と社交的な性質とからめて、数学的な詩に引用されることもあります。
自分と友人、自分と恋人の関係が「220と284」のように、もう一人の自分のような関係である。など。
確かに、真の約数に分解し、その総和が他方と順繰りになるという事実は、
数学上の奇跡・神秘のように感じます。
現在では、コンピュータによって超高速な計算が可能となりましたが、この友愛数についての証明は完全にはなされておらず、謎が山積みになっています。
例えば、
「偶数と奇数からなる友愛数は存在するのか」
「互いに素である友愛数は存在するのか」
など、証明によって明らかにしなければならない問題は未だ謎のままなのです。
友愛数2
math.kobe-u.ac.jp/HOME/saji/mathyomi/amicablenum
第3話:「友愛数」
www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/jyugyo/sosuu3
完全数の考えを少し拡張したものとして、”友愛数”(amicable numberあるいはfrienddly number)がある。たとえば、220と284について、それぞれの約数が(ただし、自分自身は除く)の和を作ってみる。
220…1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284
284…1+2+4+71+142=220
のようになり、お互いがお互いの約数の約数の和として表現されることになる。このようなとき、2つの数は”友愛的”と呼ばれ、2数の組を”友愛数”と呼びます。
さて、220と284が友愛数であることは分かったが、それ以外にも友愛数はあるだろうか。また、友愛数を求めるための何らかの規則性はあるだろうか。L.E.ディクソンの有名な著書「数論の歴史」によると、9世紀にアラビアのタービット・ベン・クッラが友愛数に関する次のような記録を残している。
「もし、h=3・2^n―1、t=3・2^(n―1)―1、s=9・2^(2n―1)―1がすべて素数ならば、2^n・ht と 2^n・s は友愛数である。」
ここで、n=2とすると、h=11,t=5、s=71 となるから、
2^n・ht=220 、2^n・s=284 となって、確かに友愛数220と284が得られる。
おそらくタービット・ベン・クッラは、古代ギリシャにおいて知られていた上の友愛数が、220=2^2・11・5、284=2^2・71の形で表されてることから、友愛数を求める規則性を見いだしたのであろう。
彼の見いだした規則は、実は17世紀になって、フランスのフェルマー(1601-1665)が見いだした方法と同じである。
1636年のメルセンヌの言明によれば、フェルマーは 2番目の友愛数としての17296と18416を発見したとのことである。そして、友愛数を得る一般的規則についてもメルセンヌあての手紙に書いている。
5
11
23
47
2
4
8
16
6
12
24
48
71
287
1151
上のように、等比数列2,4,8、…を作り(第2段目)、その3倍の数をその下段に書く。
次に、その3倍した数から1を引いた数を第1段目に書く。
最後に、6×12-1, 12×24-1、 24×48-1 として得られる数、71,287,1151を最下段に書く。この一覧表において、最下段の数で素数になっているものに注目する。たとえば71は素数である。
このとき、71の列の一番上の数(11)とその直前の数(5)がともに素数であれば、71×4=284、 5×11×4=220 として友愛数が求められる。
上の一覧表における最下段の数で、71の次の287は素数でないからとばして、次の1151へ進む。これは素数であるから、同様に計算して、次のように2番目の友愛数が求められる。
1151×16=18416 、23×47×16=17296
この方法が無限に続けられることは明らかである。フェルマーの方法を一般式で表現すれば、
3×2-1
3×2^2―1
3×2^(n-1)―1
3×2^n―1
2
2^2
2^(n-1)
2^n
3×2
3×2^2
3×2^(n-1)
3×2^n
9×2^3-1
9×2^(2n-3)―1
9×2^(2n-1)―1
もし、3×2^n―1、3×2^(n-1)―1、9×2^(2n-1)―1がすべて素数であれば、2つの数2^n(3×2^n―1)×{3×2^(2n-1)―1)、2^n{9×2^(2n-1)―1}は友愛数である。こうしてみると、フェルマーの方法は、タービット・ベン・クッラの示した方法と同じである。
一方、フェルマーと同時代の哲学者・数学者であるデカルト(1596-1650)も友愛数を得る方法を1638年3月31日付けのメルセンヌ宛の手紙の中に示している。それは、次のような方法である。
まず2の任意のべきを作る。そして、次のようにして3つの数を作る。
① 2のべきの3倍から1を引く。
② 2のべきの6倍から1を引く。
2のベキの平方の18倍から1をひく。
こうして作った3個の数がすべて素数ならば、最初に作った2のべきの2倍と最後に作られた素数(つまり、上の③)との積が友愛数の片方になるとデカルトは述べているのである。
最初の2のべきを2^(n-1)とすると、3個の数はそれぞれ
① 3×2^(n-1)―1 ② 3×2^n―1 ③ 9×2^(2n-1)―1
となり、このとき、片方の友愛数は 2^n{9×2^(2n-1)―1} であるとされているから、結局フェルマーの方法と同値であることがわかる。
ここに、最初のいくつかの友愛数を書いておきます。
(220,284)、(1184,1210),(2620,1924),(5020,5564)
(6232,6368),(10744,10856),(12285,14595)
(17296,18416),(63020,76084),…・
今までに、友愛数を発見した歴史上の人物を書き添えておきます。友愛数は大きな数なので省きます。
1636年:フェルマー、1638年:デカルト、1770年、オイラー、1946年:スコット
1970年:コーヘン、1985年:リーレ、1993年のも新たに発見されている。
<引用文献:1、数とその歴史53話(上垣 渉、何森 仁):三省堂>
<引用文献:2、素数の不思議(好田順治):現代数学社>